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2008年2月の7件の記事

2008/02/26

落とし物

…というか、拾い物の話。

ホームに着いたらちょうど電車が出たところ。
本でも読んで待ってようと思いつつ何気なくホームを見ると、視線の先に気になる物体が…。
近づいてみたところ、やはりiPod Shaffuleだった。
ちょうど出入り口付近だったから、降りるときに鞄から落ちちゃったのかな。
一瞬どうしようか迷ったけど、そのままにしておくのも気になるので駅員さんに届けることに。
ところがホームを探しても駅員の姿はなし。
"次の電車が来ちゃうかな~"と思いつつ、改札脇の事務室まで移動。
「落ちてましたよ~」と言い置いて駅員さんに渡してきた。
(次の電車には間に合った)

無事に持ち主に返っていればいいけど。

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2008/02/23

海堂尊/ジェネラル・ルージュの凱旋

ジェネラル・ルージュの凱旋
ジェネラル・ルージュの凱旋

出版社 / 著者からの内容紹介
第4回『このミス』大賞受賞作&28万部突破の『チーム・バチスタの栄光』、15万部のベストセラー『ナイチンゲールの沈黙』に続く、大人気・田口&白鳥シリーズ第3弾の舞台は、救命救急センター。
医療問題、収賄事件、大災害パニック…あらゆる要素がつまった、
シリーズ最高傑作のメディカル・エンターテインメント!

この間読んだ『ナイチンゲールの沈黙』がビックリするくらい面白くなかった^^;ので、それと対になるというこの作品も期待と不安半々で読み始めたんだけど、こっちはかなり面白かった!
物語がスピードに乗っていて全体に緊迫感が溢れていたし、キャラクターもクッキリしていて判りやすく、敵味方に分かれての議論による攻防戦も迫力があって読み応えがあった。
これは確かに『チーム・バチスタ~』の続編という感じがするよ。
内容も『チーム・バチスタ~』同様、病院内で起きる事件+院内の政治的駆け引き中心だったしね。

でも「面白かった」と思えば思うほど謎なのが、「何故『ナイチンゲール~』のほうを先に出したんだろう?」ということ。
2冊の出来を考えたら、こっちを『チーム・バチスタ~』のあとにメインで出して、『ナイチンゲール~』はしばらく間をおいてからサイドストーリーとして出した方がよかったのでは?なんて余計なことを考えたりなんかして(笑)
更に言えば、これと『ナイチンゲール~』は同時期に起きた物語として裏表である必要もなかったのでは?と思ってしまうくらい独立していい出来の作品だった。

ただ、気になったのは相変わらずニックネームとか修飾語とかがてんこ盛りのきらびやかな文章。
特に会話文。
エシックス・コミティの沼田とか事務長の三船あたりはそういうキャラだからいいけど、速水や田口まで回りくどい暗喩を使った言い回しをすることには違和感を感じるなあ。
もうちょっとストレートでシンプルな表現でもいいんじゃないかと思うんだけど。

それに対して、登場人物の行動表現はかなりワンパターン。
特に、

速水はからりと笑った。

って表現は作品中で30回は読んだような気がするんだけど…。
人の笑い方ってクセがあるから同じような表情になることが多いだろうしそれでそのキャラクターの性格とかを表現できる場合もあると思う。
でもだからといって同じ表現が何度も何度も出てくるのはちょっとボキャブラリーを節約し過ぎなのではないかと。

それから、例のルージュの件…速水がジェネラルになったエピソードはいいんだけど、あそこにルージュを登場させる意味はあったのかなあ???
しかも「伝説」としてのエピソードだったらともかく、現実にもそれをさせちゃうってのは理解出来ない。
どんなに素敵な人だとしても40過ぎたオジサンが真っ赤なルージュなんか塗ったら100mくらい引くと思うんですが…^^;
100年の恋が醒めることはあっても「ステキです…」って惚れ直されることはないと思うよ。

この作品で白鳥の唯一の部下、氷姫こと姫宮登場。
最初の「大柄な看護士が壁にへばりついて」とか「その勇姿は砂浜に置き去りにされたゴンドウクジラに屍体くらい~」とかっていう表現を読んだ途端、私の頭の中では姫宮は南海キャンディーズのしずちゃんに置換されていた…(泣)
多分全然違うんだろうな~、と思いつつ色んな女優さんとかを思い浮かべてみたけど一度インプットされた情報はなかなか他のイメージに変換出来ず。
面倒になったので結局最後までそのまま行ってしまった。
これから先も姫宮が出てくるたびに、私の脳内ではしずちゃんが動き回るんだろうな…。
正直な話、あまり好きではないんだけど(特に話し方)…ま、いっか(笑)

チーム・バチスタの栄光
チーム・バチスタの栄光
ナイチンゲールの沈黙
ナイチンゲールの沈黙

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2008/02/17

五十嵐貴久/相棒

相棒
相棒

『相棒』…といっても、人気のTVドラマシリーズではない。(こっちも好きだけど(笑))

慶応3年10月。
大政奉還を間近に控えた早暁、薩摩藩・西郷吉之助との極秘対談に向かっていた十五代将軍・慶喜が何者かに狙撃される。
幸い慶喜に怪我はなかったが、誰が命を狙っているか判らない状況に慶喜は大政奉還の取りやめを考え始める。
この事態を収拾するために幕府方の重職・永井玄蕃守と板倉伊賀守は将軍暗殺の下手人探しをある男たちに要請する。
それは新選組副長・土方歳三と土佐藩脱藩・海援隊の坂本龍馬という誰も考えないような組み合わせだった…。

佐幕派の急先鋒として不逞浪人を厳しく取り締まっている新選組の鬼の副長と、勤王派の長州と薩摩を同盟させ幕府に大政奉還させようとしている張本人とがコンビを組んで、将軍暗殺の犯人を捜す…という破天荒な設定の話。

帯の内容からミステリーかと思って読み始めたら、そうじゃなかったというのが一番の感想。

徳川幕府開闢以来の出来事、将軍暗殺の犯人を捜して薩摩、会津、長州、陸援隊、高台寺党、岩倉具視公…とその時点で幕府に影響力がある組織の主だった人々を、2人の人脈と知名度を頼りに次々に訪れてそれぞれの立場の意見を聞くことに多くの枚数が費やされている。
これはまさに現代の刑事ものの「聞き込み」に当たる作業なんだけど、この作品のなかでのそれは犯人探しというよりも慶応3年当時の日本の勢力図を確認する作業のように思えた。

当時の重要人物を次々に登場させて時には死をも覚悟して探ったのに、その結果浮かび上がった犯人への幕府からの最終的な処断は特にないまま曖昧に終わっている。
このあたりもこの話がミステリーではなく、歴史の部分に比重を置いているからではないかと思う。
ただ、その一連の証言やそれぞれの人物、組織の内部事情、人間関係などについて丁寧に記述されている文章はとても判りやすく、「大政奉還」という大事の前夜、それを囲む様々な立場の人間たちが何を考えていたのかを理解するいい材料だった。

また、2人に与えられた時間がたった2日間ということで、2人で夜中まで京の町を走り回ったり、クソ忙しいのにわざわざ状況報告に二条城に呼び出されてムカっ腹立てたり、長州との対面では一触即発の事態に陥ったり…と、重厚な中にもスピード感のある展開でとても読みやすかった。

残念だったのは、土方と龍馬のやり取りにあまり意外性がなかったところ。
せっかく土方と龍馬という2人の人気者(笑)を主役に据えるのだったら、もう一歩踏み込んだやり取りが読めたらもっとよかったなあ…と思う。
(個人的には土方はもうちょっと「マヌケ」な部分があったほうが好きです(笑))
それぞれの敵陣へ踏み込み、時に命の危険に晒される中で少しずつお互いに対する信頼や友情が芽生える部分は感じられたけど…「もう一声!」かな(笑)
2人だけよりもむしろ新選組の沖田と海援隊の陸奥陽之助(後の宗光)が主役2人といるときのほうが印象的なシーンが多かった。

龍馬の最期のところは、事前に思いっきり伏線が張ってあったので「多分そうなんだろうなあ」と思ったらやっぱり「そう」だった、という感じ。
(ネタバレなので曖昧表記で失礼します^^;)
ちょっと分かり易すぎ。
ただ、そういう成り行きは龍馬らしいと思うし、そう思いたい部分もあるのでヨシとしよう。

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2008/02/11

ラサール石井/笑いの現場 ひょうきん族前夜からM-1まで

笑いの現場―ひょうきん族前夜からM-1まで (角川SSC新書 27)
笑いの現場―ひょうきん族前夜からM-1まで (角川SSC新書 27)

頭はいいけど怠け者でお笑い好きだった大阪生まれのイシイ少年が、名門高校から早稲田ミュージカル研究会、劇団の研究生、ストリップ劇場の前座を経て「コント赤信号」として人気を博し、ラサール石井となるまでの道のりを描いた「第一章 コント赤信号で見たお笑い界 (ノンフィクション編)」と、たけし、さんま、志村けんら現在も第一線で活躍する大物芸人たちの「笑い」を解説する「お笑い芸人列伝 (評論編)」の2章構成。

第一章は描かれている期間が長いためかちょっとポイントが絞り切れていなくて退屈な部分も時々あったけど、「オレたちひょうきん族」「笑ってる場合ですよ!」など一世を風靡したお笑い番組をその現場で、リアルタイムで見てきた人間だけが描ける臨場感があって全体としては楽しく読めた。
当事者しか知り得ない裏話も結構多かったし。
それから「M-1(グランプリ)」の分析(+採点)が、第一回からつい先日行われた第七回まで掲載されているのも面白かった。
特に第六回は番組の審査員から外されてしまったのに、自分でブログを立ち上げて独自審査をしていた、というエピソードはすごい(笑)

第二章の評論編もかなり面白かった、というか私はこっちのほうが好き。
一人(一組)ごとにそんなに多くの枚数を割いているわけではないけれど、それぞれのキャラクターが見事に分析されていて読んでいて「なるほどね~」と納得出来る部分が多かった。
何より、対象vs評者という関係性ではなく、それぞれの才能を同じ土俵の中からの「愛のある(でも甘やかしてはいない)視線」で捉えて描いてあるところがとても好感が持てた。

今のこのブーム(第四次?)を総括する文章もいつか読んでみたい。

それにしても、熱に浮かされたような流れのまっただ中にいたのにも関わらず、他者、そして自分をもこんなにも的確に捉えていたラサール氏の冷静さに脱帽。


オレたちひょうきん族 THE DVD 1985~1989 FINAL
オレたちひょうきん族 THE DVD 1985~1989 FINAL

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2008/02/10

三雲岳斗/旧宮殿にて 15世紀末、ミラノ、レオナルドの愉悦

旧宮殿にて 15世紀、ミラノ、レオナルドの愉悦 (光文社文庫)
旧宮殿にて  15世紀、ミラノ、レオナルドの愉悦 (光文社文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
消えた肖像画、失踪した令嬢、石像の右腕だけが後に残され、遺言書を入れた風変わりな箱は持ち去られた―異能の師匠レオナルド・ダ・ヴィンチが、ミラノの宰相ルドヴィコ・スフォルツァ、才媛チェチリアとともに、不可解な謎、奇妙な事件に挑む。そして三人を待ち受ける運命は!?異才・三雲岳斗が描く、稀代の天才・レオナルド・ダ・ヴィンチ。

以前読んだ「聖遺の天使」と同じく美貌の師匠(マエストロ)レオナルド・ダ・ヴィンチが探偵役となって事件を解決するシリーズ。
長編、かつダヴィンチ自身が現地で謎解きをした「聖遺の天使」に対して、これは芸術家たちの工房のある「旧宮殿(コルテ・ヴェッキア)」にミラノ宰相スフォルツァと宰相の愛人と噂されるチェチリアが持ち込んできた謎をダヴィンチが解き明かすという、どちらかというと安楽椅子探偵的な作りの短篇集。
キャラクターがしっかりしているのでどちらも面白かったけど、どちらかというと私はサクサク読めて判りやすい今回の作品のほうが好み。
(登場人物の名前+関係性が覚えにくいので、長編だと読んでるうちにワケが判らなくなってくる^^;)

前作で感じた、ダヴィンチの「魅力的なヤなヤツ」っぷりは健在。
あまり饒舌になりすぎることなく、さりげなく彼の才能や魅力が紹介されているのがいい。
ただ、そんな我が儘で人嫌いで変人のダヴィンチもチェチリアの頼みは断れないというような記述が毎回毎回出てくるのは(短篇集の宿命とはいえ)ちょっと邪魔くさかったかな。

「愛だけが思い出させる」「窓のない塔から見える景色」「忘れられた右腕」「二つの鍵」「ウェヌスの憂鬱」の5編を収録。

「愛だけが思い出させる」はタイトルも内容もスマートでありながら情熱的でステキだった。


聖遺の天使 (双葉文庫)
聖遺の天使 (双葉文庫)この作品の感想もよかったらどうぞ。
三雲岳斗/聖遺の天使

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2008/02/09

山本一力/銭売り賽蔵

銭売り賽蔵 (集英社文庫 や 41-1) (集英社文庫 や 41-1)
銭売り賽蔵 (集英社文庫 や 41-1) (集英社文庫 や 41-1)

内容(「BOOK」データベースより)
金貨や銀貨と、町民が普段使う文銭とを両替する銭売り。賽蔵は「二分金千両を目の前にして、眉ひとつ動かさなかった男」、「いまどき、カネに転ばない男はめずらしい。心根がいやしくないからこそ、できることだ。目に曇りのないあの男なら、どんな大仕事でもやり遂げるだろう」と言わせる男だった。江戸庶民のたつきを生き生きと描く長編時代小説。

山本さんの作品の魅力は、江戸のいろんな生業を詳しく生き生きと描写してある部分はもちろんなんだけど、それ以上に登場人物たちが自分の身の丈にあった暮らしの中で精一杯にきちんと生きている姿がしっかりと描かれている部分。
時々失敗したり、苦労したり、哀しんだりすることはあるけれど、真っ当に努力して、人と人の繋がりを大切に生きている登場人物たちの結末はいつも明るい。

この作品も銭売りの賽蔵、彼を支え自らも人気の小料理屋を切り盛りするおけいを始めとする登場人物たちが気持ちよく前向きで、読んだ後に元気になれる作品だった。

山本さんの作品を読んでいると深川に行きたくなるなあ。
ちょっとよく描かれすぎでは?と思ってしまうくらい、人情味があって思い遣り深い、嘘のない生活ぶりが読んでいて気持ち。

ただ途中、賽蔵の性格がちょっとブレがあったことと、おけいの店を潰そうとする岡田屋と渡り合うくだりが仕掛けは大がかりなように見えたのに解決までがあっさりし過ぎていたのがちょっと残念だったかな。

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加門七海/常世桜―地神盲僧、妖ヲ謡フ

常世桜―地神盲僧、妖ヲ謡フ
常世桜―地神盲僧、妖ヲ謡フ

内容(「BOOK」データベースより)
三宝荒神の力を頼み、姿無き神霊・精霊と交感する。時を超え、異界と現を行き来する青年琵琶法師・十六夜清玄の物語。

桜の根方の庵で暮らす盲目の琵琶法師・清玄。
彼の前に客として現れるのは現実(うつつ)のものではなく、地に縛られ時の狭間で行き場をなくした幻想(あやかし)たち。
枯れた白木の、小さな桐の琵琶「十六夜(いざよい)」を伴い、彼らをあるべき場所に眠らせる清玄の活躍が、穏やかなしっとりとした文体で綴られていく。

タイトル+冒頭部分から「平安あたりの話かな?」と思いながら読み進めたら、いきなり現代の六本木が出てきたので驚いた(笑)
その後、昭和、明治、江戸…と遡り、最後に再び現代へと戻ってくる構成。
その中で、時代の空気を敏感に感じ取りながらも、変わらずに淡々とそこにあり、自分の力を必要とするものたちの怒りを哀しみを鎮める清玄と十六夜の姿が美しかった。

途中で挿入されているイラストはちょっと文章のイメージには合わなかったけど、それ自体はとても可愛らしくて好感が持てた。
特に「憑喪神」の中の小さな動物たちのイラストがお気に入り(^^)

ところで。
読んだあと、どこかのサイトでこの作品についての感想をチラッとみたところ
「漢字全てにルビが振ってあるのが云々…」
という記述があった。
「え?」と思って見直してみたら、ほんとうにそうだったのでビックリ。
読んでいる間、全く(本当にまったく!)気付かなかったのだ…^^;
改めて見直してみると「けっこう邪魔かも…」と思えるくらいビッシリ振ってあるのに、何故気付かなかったんだろう?
そのくらい面白かった?または単純に鈍感なだけ?^^;
どちらも正解かも(笑)

「花守」「夜宴」「玉兎」「定家葛」「憑喪神」「武蔵野」「さくら桜」の7編を収録。

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