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2008/02/09

山本一力/銭売り賽蔵

銭売り賽蔵 (集英社文庫 や 41-1) (集英社文庫 や 41-1)
銭売り賽蔵 (集英社文庫 や 41-1) (集英社文庫 や 41-1)

内容(「BOOK」データベースより)
金貨や銀貨と、町民が普段使う文銭とを両替する銭売り。賽蔵は「二分金千両を目の前にして、眉ひとつ動かさなかった男」、「いまどき、カネに転ばない男はめずらしい。心根がいやしくないからこそ、できることだ。目に曇りのないあの男なら、どんな大仕事でもやり遂げるだろう」と言わせる男だった。江戸庶民のたつきを生き生きと描く長編時代小説。

山本さんの作品の魅力は、江戸のいろんな生業を詳しく生き生きと描写してある部分はもちろんなんだけど、それ以上に登場人物たちが自分の身の丈にあった暮らしの中で精一杯にきちんと生きている姿がしっかりと描かれている部分。
時々失敗したり、苦労したり、哀しんだりすることはあるけれど、真っ当に努力して、人と人の繋がりを大切に生きている登場人物たちの結末はいつも明るい。

この作品も銭売りの賽蔵、彼を支え自らも人気の小料理屋を切り盛りするおけいを始めとする登場人物たちが気持ちよく前向きで、読んだ後に元気になれる作品だった。

山本さんの作品を読んでいると深川に行きたくなるなあ。
ちょっとよく描かれすぎでは?と思ってしまうくらい、人情味があって思い遣り深い、嘘のない生活ぶりが読んでいて気持ち。

ただ途中、賽蔵の性格がちょっとブレがあったことと、おけいの店を潰そうとする岡田屋と渡り合うくだりが仕掛けは大がかりなように見えたのに解決までがあっさりし過ぎていたのがちょっと残念だったかな。

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