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2008/03/02

津原泰水/ルピナス探偵団の憂愁

ルピナス探偵団の憂愁 (創元クライム・クラブ)
ルピナス探偵団の憂愁 (創元クライム・クラブ)

内容東京創元社Webサイト内より引用)
高校時代「ルピナス探偵団」として様々な事件に遭遇してきた少女3人と少年1人。卒業後、それぞれの道を歩んでいた4人のうち、1人が不治の病で世を去った。久々に顔を合わせた3人に残されたのは、彼女が死を前にして百合の樹の林に造らせた、奇妙な小路の謎だった――。第1話「百合の木陰」から時を遡り、高校卒業式を目前に殺人が起きたルピナス学園で、彼らが授かった“祝福”を描く第4話「慈悲の花園」までを辿る。津原泰水だからこそ書き得た、少年少女たちの「探偵」物語。〈ミステリーズ!〉連載の4編を大幅加筆修正。

以前読んだ『ルピナス探偵団の当惑』の続編。

前作は、第一話だけが推理そっちのけでラブコメディや学園ドラマが進行していくところとか主人公・彩子の姉 不二子が暴走しているところとかがすごく面白くてよかったのに、二話目以降は割と普通の学園ものミステリーになってしまってちょっと残念だった。
今回の続編は第一話目方向に戻っていないかと期待していたんだけど…前作以上に無難なミステリー短篇集になっていた。

彩子もキリエも大人になってるし、祠島くんの「人の顔を覚えるのが苦手」という特徴も殆ど出てこないし、庚午さんは偉くなってるし、不二子は殆ど出てこないし、そして何より探偵団の一員だった摩耶が第一話でいきなり死んでしまうし…。
私が期待していた方向性とはかなり差があって残念。

でも、全体的には一話目とそれ以外の温度差があまりにも大きかった前作に比べて、作品の方向性が揃っている今作のほうがスムーズに読めたことは確か。
しっかりと個性を主張しながらも決して特徴的過ぎないキャラクターや、数多の雑学の披露の中に巧みに隠された伏線の数々。
祠島くんの推理の鋭さ、鮮やかさ。
そして事件を解決しながら時を遡り、最後にルピナスを去る日に戻っていく構成が見事。

4人が永遠の友情を誓うラストシーンが心に残った。

「百合の木陰」「犬は歓迎されざる」「初めての密室」「慈悲の花園」の4編を収録。


ルピナス探偵団の当惑 (創元推理文庫 M つ 4-1)
ルピナス探偵団の当惑 (創元推理文庫 M つ 4-1)
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津原泰水/ルピナス探偵団の当惑

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