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2008/03/20

加藤実秋/インディゴの夜

インディゴの夜 (創元推理文庫 M か 5-1)
インディゴの夜 (創元推理文庫 M か 5-1)

内容(「BOOK」データベースより)
「クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が接客してくれるホストクラブがあればいいのに」―すべては女性ライター・高原晶が、大手出版社の編集者・塩谷に漏らした何気ない一言から始まった。謎めいた美形の敏腕マネージャー・憂夜の助力を得て、二人は一風変わったホストクラブ“club indigo”を渋谷の片隅に開いたが、順調な経営とはうらはらに常連の客が殺され、店のナンバーワンに疑いがかかる。晶は個性豊かなホストの面々とともににわか探偵団を結成、真犯人捜しに奔走する!第十回創元推理短編賞受賞の表題作がシリーズ化。スタイリッシュでウイットあふれる新世代探偵小説、ここに登場。

帯に「ホスト探偵団」って書いてあったから、よくTVなんかで見かける「いかにも」な感じの人たちがみんなで殺人事件を調べたりする話かしらと思ったら、紹介文にもあるように「DJやダンサーみたいな男の子」がホスト役とのこと。
実際にそういうお店があったら確かに面白いとは思うけど、小説にするんだったらホストらしいホストさんたちが探偵の方が面白いような気がするけどな。お話の中のホストクラブでしかも探偵をする連中ならそういうの(「ストリート系」とでもいうのでしょうか)って却ってありがちな印象を受けてしまう。

何よりも登場人物たちをそう設定すると、モロに『IWGP』とかぶってしまってかなり不利だと思うんだけどなあ。
そうやって『IWGP』に比べてしまうと、この作品は(枚数の関係もあるかもしれないけど)ストーリーにひねりがないし、事件も表面的で単調に感じてしまった。
それから、"club indigo"のホストくんたちはみんな個性的で可愛らしいし頭も性格も悪くなさそうだけど、「コイツいい!」っていえる決定的な決め手がないのも残念だった。

『IWGP』との差は語り手が女("club indigo"のオーナー晶)だってことだと思うんだけど、そこも上手く活かされているとは言いにくいような。
共同経営者の塩谷や天敵の豆柴(生活安全課の刑事)のセクハラ発言へのツッコミかたもけっこうありがちなセリフばかりだし、お店の従業員とも信頼関係があっていいんだけど何故そこまで受け入れられているかについて単に「オーナーだから」以外の納得できるエピソードが欲しかったな。

でも、文章はクセがなくシンプル、かつテンポがいいのでとても読みやすく、読後感は悪くなかった。
シリーズ2作目も出ているようなので(『インディゴの夜 チョコレート・ビースト』)こっちも読んでみようかな。

表題作の他「原色の娘」「センター街NPボーイズ」「夜を駆る者」の4編を収録。

インディゴの夜 チョコレートビースト (ミステリ・フロンティア)
インディゴの夜 チョコレートビースト (ミステリ・フロンティア)
 

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