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2008/03/30

桜庭一樹/赤朽葉家の伝説

赤朽葉家の伝説
赤朽葉家の伝説

出版社 / 著者からの内容紹介
「山の民」に置き去られた赤ん坊。この子は村の若夫婦に引き取られ、のちには製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれて輿入れし、赤朽葉家の「千里眼奥様」と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。――千里眼の祖母、漫画家の母、そしてニートのわたし。高度経済成長、バブル崩壊を経て平成の世に至る現代史を背景に、鳥取の旧家に生きる3代の女たち、そして彼女たちを取り巻く不思議な一族の血脈を比類ない筆致で鮮やかに描き上げた渾身の雄編。2006年を締め括る著者の新たなる代表作、桜庭一樹はここまで凄かった!

読む前に想像していたのと全然違う話だった。
"伝説"というからには数百年、最低でも百年は経っている時代の話かと思ったら昭和20年代から始まるし、"赤朽葉家"なんていういかにも「何かありそうな」ネーミング、禍々しい雰囲気の朱赤の表紙からもっとおどろおどろしい(例えば『犬神家の一族』みたいな)話なのかと思っていたらそうでもないし…。

未来視の能力を持つ祖母の万葉、少女の頃は暴走族のリーダーとして暴れ回りその後人気マンガ家として多忙な日々を送り若くして死んだ母 毛鞠、そしてやりたいことが見つからず焦りと葛藤と迷いの中でニートな生活を送る娘 瞳子。
山陰の小村の旧家・赤朽葉の三代に渡る女たちの年代記。

文章は読みやすいし、3人の人生の中に巧みにその時代の気分や雰囲気、風俗、流行などが取り入れられてそういう部分は楽しく読めた。
でも、全体的に(いろいろ事件が起こるわりに)感情的な記述が少なく淡々とした調子で描かれているので、どこに感情移入していいか判らなくてスーッと読み終わってしまった印象。
更には私はこの3人の誰にも似ていないから共感も出来ないし…。

この作品の登場人物のなかで私が一番好きだったのは、拾われっ子の万葉を見初め、息子の嫁として赤朽葉家に迎え入れ生涯万葉を愛し、守り抜いた姑のタツ。
親類からは愛されつつ恐れられ、経営する会社の社員からは敬愛された、物に動じない、懐の大きなドッシリした人物像がすごくよかったなあ。
何より、孫に泪、毛鞠、鞄、孤独なんて名前を付けちゃうところがスゴすぎる!(笑)
私としてはタツさんの一代記のが読みたかったかな。

そういえば、この本を読もうと思ったきっかけは「このミス2008」でランクイン(国内2位)していたからだった、というのを読み終わってから思い出した。
(図書館に予約して約4ヶ月も待ったのですっかり忘れていた^^;)
ということは、これって「ミステリー」だったんですね(驚)
これが一番意外だったかも…。

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