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2008/04/21

北尾トロ/裁判長!ここは懲役4年でどうすか

裁判長!ここは懲役4年でどうすか (文春文庫)
裁判長!ここは懲役4年でどうすか (文春文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
ワイドショーも小説もぶっとぶほどリアルで面白いのがナマの裁判だ。しかもタダで誰でも傍聴できる。殺人、DV、詐欺、強姦…。突っ込みどころ満載の弁明や、外見からは想像できない性癖、傍聴席の女子高生にハッスルする裁判官。「こいつ、絶対やってるよ!」と心の中で叫びつつ足繁く通った傑作裁判傍聴記。

最近よく見かける「裁判傍聴記」もの。
その中でもこれは2001年に雑誌(「裏モノJAPAN」)に連載されたのが初出、とのことなのでかなり「走り」の作品ってことなのかな。

著者が裁判傍聴に興味を持って何も予備知識なしに東京地方裁判所に初めて足を運ぶところから、少しずつ知識を得て自分なりの傍聴スタイルを作っていく様子が裁判の内容とともにゆっくりしたテンポで描かれている。
ちょっとゆるい感じで書かれた個々の裁判傍聴記録もいいけど、私は初心者だった著者がどうやって裁判所のシステムに馴染んでいくかという過程の記録が興味深かった。
例えば、傍聴にもマニアがいてその人たちといかにして知り合い、信頼を勝ち得て情報提供してもらえるようになるか、といった話とか。
どこにでも「その道の達人」はいるんだなあ(笑)
途中には「傍聴の極意教えます」と称して、いつ初公判が実施されるか、傍聴券の取り方、スケジュールのチェック方法などなどが丁寧に書いてあるコラムもあったり。
この部分、昔よく読んだ「地球の歩き方」を彷彿とさせるものがあった。
(文章の書き方も似てるし、もしかしたら意識的にそうしたのかも)

裁判所ってあまり一般人(?)には馴染みのない場所だったけど、今後は陪審員制度が始まるのでそうとも言っていられない時代が来るのかな。
特に私なんか人の「負の感情」にすごく影響を受けやすいタイプなので、ちょっと慣れておかないといざ選ばれた時にキツイ思いをしそうで不安…。
この本を参考に経験値を積みに傍聴デビューしてみようかな。

ところで、ある事件の裁判員に選ばれたら、それに対する公判に全部出席しなくちゃならないの?
その公判が何年もかかる場合も??
…という感じで裁判員制度は謎なことが多いなあ。
ちょっと勉強しておかないと。
ちなみに開始は平成21年5月21日です。

裁判員制度

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コメント

傍聴マニアというと、映画「それでもぼくはやってない」を連想してちょっと複雑な思いもありますね。

裁判員制度の趣旨は分からなくはないのですが、その運用があまりに世間をしらないお役人の浅知恵で、最早破綻する行く末ではないかとも危惧してしまいますね。さて、どうなりますやら。

投稿: ムムリク | 2008/04/22 10:22

私もこの本を読んだのですが書評を書いていないみたいで...
裁判員制度があと一年ではじまるのになにもリアクションがない状態が怖いのですが、全然わからない私にとってはとっかかりとしてはよいと感じました。

投稿: みつ | 2008/04/22 17:02

■ムムリクさん
こんにちは。

>映画「それでもぼくはやってない」を連想

あの映画にも傍聴マニアが出てくるんですか。
確かに裁判の当事者側から見たら「見せ物じゃない!」って感じるかもしれませんね。
(と言っても映画を見てないので、どんな扱いなのかが判りませんが^^;)

>裁判員制度

詳しく確認していないのでよく判らないのですが…でも、やっぱり「そんな重要なことを何の知識もない素人に任せていいの?」って思います。
じゃあ、弁護士や検事、裁判官は何のために法律を勉強したんだよ、と。
密室化を防ぐために「第三者による監視」というのは何らかの形で必要なのかも知れませんが、有罪・無罪の判断や更には罪状の判断まで一般市民に(全面的にではないにしろ)委ねる、という方法はどうなんでしょう。
この問題、ヒトゴトじゃないのでもっと真剣に考えるべきですね。

コメントありがとうございました。

投稿: tako | 2008/04/24 19:54

■みつさん
こんにちは。

>とっかかりとしてはよい

そうですね。
かなりゆるい感じで書いてあるので、気楽に読めるのがいいですね。
私も「ちょっと行ってみようかな」と興味が沸きました。
(「通う」ところまではいかないと思いますが)

一般市民には一生縁がないって場所の一つだった裁判所に、これからは国民全員が行かなくちゃいけないのだとしたら、どんな場所で何をするのかもっと積極的に啓蒙活動をするべきですよね。
この本にも授業の一環として学生が見学に来る、といった表記がありましたが、これからはもっとそういう機会を増やした方がいいかもしれませんね。

コメントありがとうございました。

投稿: tako | 2008/04/24 21:24

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