映画:「西の魔女が死んだ」
本日封切り。
たまたま出勤日だったので会社帰りに観にいってきた。
全体的に柔らかい印象。
声高な主張や喧噪がなく、静かな会話や繊細な表現の中で進んでいく物語。
おばあちゃんの住む緑溢れる田舎はとてもキレイだしその堅実で静かで健やかな暮らしぶりもとても素敵だった。
でも、その分なんとなく「現実離れ」してるってイメージがずっとあって(まあ、「お話」なんだから仕方ないのかもしれないけどね)何となく物語の中に入って行きづらく、気持ちが寄り添う部分が少なかったのが残念だった。
原作を読んだのが随分前だったので大筋しか覚えていなくて、やたら「泣いた」という記憶だけが残っていたので期待しすぎてしまったのかも。
(と言いつつ、ラストはやっぱり泣いたけど^^;)
何も起こらずただ淡々と過ぎていく時間がけっこう長くて、それがちょっと退屈だった。
いつも何か事件が起こっているジェットコースターのようなTVドラマや小説に毒されているのかなあ。
または直接的な言葉で説明されないと理解、というか納得できなくなっているのかも。
気配とか雰囲気とかを感じる感覚が鈍っているのかな…。
それから、食事にパン(洋食)しか出てこないのもちょっと違和感。
確かに庭の畑から穫ってきたレタスで作るサンドウィッチや、手作りのワイルドベリージャムをたっぷり載せたトーストは美味しそうなんだけど…いくらおばあちゃんはイギリス人だといっても、あれだけ長く日本で暮らしているなら時々は和食も食べて欲しかった。
あと、食事のシーンは多かったのに「おいしい」って言葉があまり出てこないのもちょっと気になったかな。
傷ついたまいを温かく静かに受け止めるおばあちゃんの家での暮らし。
その中で唯一まいの心を乱す隣人・ゲンジの存在がとても印象的だった。
粗野でだらしなくずうずうしい、ずけずけとものを言うゲンジはまいにとって「汚らしい大人の男」の象徴だったんだろうねえ。
そんな象徴の役をキム兄が巧く演じていた。(←誉めてるのか?(笑))
最後、おばあちゃんを亡くしたまいに彼が「いい人」の部分を垣間見せるシーンが印象的。
こういう部分を違和感なく演じられるところが「キム兄らしい」と思った。
でも、改めて思うけどまいってすごく恵まれてるよね。
急に「学校に行きたくない」って言い出す娘に、何も訊かずに「判ったわ。少し休みましょう」って言える親ってあまりいないでしょ?
で、実際にストレスの元から離れて、あんな優しい、全身で自分を受け入れてくれる誰かの元で傷を癒すことの出来たんだから。
もちろん、傷つかずに済むならそれにこしたことはないけど、傷ついてもそれを手当されることなく生きて行かなくちゃならない人が多いってことを考えたら、そういう環境があるまいは幸せだよね、と思うな。
エンディングで流れる主題歌『虹』(歌:手嶌葵)が印象的。
タイトルロールのバックは黒画面じゃなくて、2人が暮らしたおばあちゃんの家の映像だったらもっと良かったのに。
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コメント
お早うございます。
さっそく行ってらっしゃいましたか。
本を読んだ時、勿論純粋に日本の田舎でしたが 祖母の暮らしを思い描いていました。
この「おばあちゃんの家」は、期間限定で公開されているそうですね。
あと2週間で、お目にかかれるのを 楽しみにしています (^_^)
投稿: 涼 | 2008/06/22 08:31
■涼さん
こんにちは。
映像はすごくキレイで日本じゃないみたいでした。
その分非現実的に感じてしまってあまり入り込めなかったです。残念^^;
ホントにイギリスが舞台だったらまた違っていたのかな、って気がします。
>あと2週間
もうそんなですか?!ちょっとドキドキしてきてしまいました^^;
ダイエットはちょっと無理そうなので、せめて美容院にでも行っておきますね~(笑)
コメントありがとうございました。
投稿: tako | 2008/06/22 23:06
映画は淡々としていますがやはり泣いてしまう素敵な映画ですよ。主題化が感動を増幅させてますね。
手嶌さんの主題歌「虹」は最高です!泣きます。既に購入し何度も何度も聴いています。
また彼女の洋画カバーを歌ったALも秀逸です。
是非ご試聴あれ
試聴はこちらhttp://mysound.jp/artist/detail/aQCXD/
ちなみに4枚目のAL「虹の歌集」が7/23に発売です、今から楽しみです。
投稿: 本物志向 | 2008/06/26 00:07
takoさん、はじめまして。
実はこっそりRSSリーダーに入れさせていただいて時々覗かせていただいていました。
今日、私もこの映画をみてきました。
私はこのところ心がささくれていたので、心に沁みて感動したり、反省したり・・・^^;
後でトラックバックさせていただきますね。
今週末!楽しみにしております^^
投稿: ぶんぶん | 2008/06/30 21:34
■本物志向さん
こんにちは。
私の場合、最初から泣く気満々だったというのが敗因でしょうね…^^;
ちょっとヘコんでいたので「こんなことを言ってくれたらいいなあ」と勝手に期待してしまいました。
もっと自然な気持ちで見に行ったら、映画の世界に入り込んで一緒に感動出来たのかもしれません。
コメントありがとうございました。
投稿: tako | 2008/06/30 23:29
■ぶんぶんさん
こんにちは(^^)
コメントとTBありがとうございました。
お義母さまと映画鑑賞、いいですね。
特にあの映画は静かでキレイで柔らかいから、家族で行くのにピッタリですよね。
私が観に行った映画館も家族連れがかなり多かったです。
もうすぐですね[ハート]
お会いできるのを楽しみにしています。
投稿: tako | 2008/06/30 23:52