東野圭吾/黒笑小説
出版社 / 著者からの内容紹介
東野圭吾が描く、「黒い笑い」
平静を装いながら文学賞の選考結果を待つ作家、内心では「無理だろう」と思っている編集者――。文壇事情を皮肉たっぷりに描く短編の他、笑いをテーマにした作品を収録した傑作短編集。(解説/奥田英朗)
東野さんの作品は「長くて、シリアスで、重いもの」のほうが評価が高いみたいだけど、個人的にはこういう「短くて、ふざけてて、ニヤッと出来る」作品のが好きだな。
誰かの行動やある現象を角度を変えて描くことでそこに立ち現れてくる違和感と可笑しさを扱った作品が多いんだけど、その題材の選び方、悪意の込め方、題材への執着加減が絶妙。
これ以上やったら醜悪になる、不愉快に感じられるというレベルギリギリのところで踏みとどまる自制心がスゴイ。
決して爆笑出来る内容ではないけど、「こんなことよく考えつくよな~」と思いながら読みながらニヤニヤ笑える作品ばかりで面白かった。
「もうひとつの助走」「線香花火」「過去の人」「選考会」「巨乳妄想症候群」「インポグラ」「みえすぎ」「モテモテ・スプレー」「シンデレラ白夜行」「ストーカー入門」「臨界家族」「笑わない男」「奇跡の一枚」の13編を収録。
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コメント
こんばんは
先の「毒笑小説」もこれも、初めは読むつもりではなかったのです。でも、takoさんの感想を読ませていただいて、購入。
面白かったですね。
またまた、トラックバックさせていただきました。
投稿: 涼 | 2008/06/08 21:07
■涼さん
こんにちは。トラックバックとコメントありがとうございます。
「もうひとつの助走」は筒井康隆氏の「大いなる助走」のパロディみたいですね。
「大いなる助走」は読んだことがないのですが、他の作品にも筒井氏の影響が強く見られるような気がします。
投稿: tako | 2008/06/08 22:08