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2008/07/21

畠中恵/まんまこと

まんまこと
まんまこと

この間読んだ『文学賞メッタ斬り!~たいへんよくできました編~』で大森さんと豊﨑さんが揃ってかなり誉めていたので「どれどれ」と読んでみたところ、確かに面白かった。

八つの町を支配する古名主・高橋家の跡取り麻之助を主人公にした連作短篇集。
小さい頃は生真面目で勤勉、両親の自慢の息子だったけれど、16の年を境に突然「お気楽者」に豹変し親を嘆かせている麻之助。
そんなお気楽者が病で倒れた父親の代わりに町人のもめ事を評定することに…果たして上手く収めることは出来るのか。
表題作ほか「柿の実を半分」「万年、青いやつ」「吾が子か、他の子か、誰の子か」「こけ未練」「静心なく」の6編を収録。

お気楽者の麻之助と、同い年の親友・清十郎(女の子に大人気の色男)のコンビがいい。
基本的に自由でまっすぐで、それでいて自分の背負っているものをきちんと受け止めてそれを全うしようという心意気が感じられる若者らしい描写に好感が持てた。

麻之助が解き明かすそれぞれの謎もちょっと判りにくいけど、血生臭いところがないので安心して読めた。

ただ、麻之助が生真面目な青年からお気楽者へ変わってしまった原因はちょっとありきたりかなあ。
しかもそれが一番最初のほうでその原因が明かされてしまう(「噂」としてだけど)というのは。
もちろん読んでいればすぐに判ることだし、真実はもう少し奥が深い物語だったのである意味「ミスリーディング」を誘うための手法だったのかもしれないけど、それにしては真相に意外性が少なくてちょっと肩すかしな感じがしてしまった。
それにその原因に周りの大人(親)たちが全く気づいていないということもちょっと不自然だなと思えた。
もしかしたらみんな判っていて、それでも麻之助の傷が癒えるのを黙って見守っていたのかも。
そのほうがこの物語には相応しい内容だと思うな。

『しゃばけ』同様これもシリーズ化される模様。
それぞれ少しずつ大人になった麻之助と清十郎にまた会えるのが楽しみ。

まんまことうぇぶ

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