近藤史恵/タルト・タタンの夢
出版社 / 著者からの内容紹介
下町の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マル。風変わりなシェフのつくる料理は、気取らない、本当にフランス料理が好きな客の心と舌をつかむものばかり。そんな名シェフは実は名探偵でもありました。常連の西田さんはなぜ体調をくずしたのか? 甲子園をめざしていた高校野球部の不祥事の真相は? フランス人の恋人はなぜ最低のカスレをつくったのか?……絶品料理の数々と極上のミステリ7編をどうぞご堪能ください。
下町の小さなフレンチ・レストラン「ビストロ・パ・マル(悪くない)」にやってくるお客から語られる小さな謎を、無口で無愛想なシェフ三舟が鮮やかに解決する連作短篇。
いわゆる「日常の謎」&「安楽椅子探偵」もの。
それに合わせて謎の種類も、当事者にとってはちょっとほろ苦いけど血生臭い話ではなく、読んでいるほうとしては食事時の会話の中で「そういえばこんなことがあってね…」と話せるくらいの内容だったのが好印象。
解決の仕方も、全てが完全なハッピーエンドではないけど、きちんと納得できる、今夜は泣いてしまうかもしれないけど明日からはまた元気だそう!と思えるような形になっていて読後感がとてもよかった。
でも、それより何より、三舟シェフの作る料理の美味しそうなこと!
しかも、お料理の味だけではなくて、お客への気遣いやサービスといったホスピタリティもしっかりしてるんだよね。
こんなお店が近所にあったら…(笑)
以前、「美味しそうな食べ物が出てくる本」というテーマで記事を書いたことがあってそのときは北森鴻さんの『花の下にて春死なむ』をあげたんだけど、今同じテーマで記事を書くとしたら絶対入れちゃうぞ!という作品だった。
表題作他「ロニョン・ド・ヴォーの決意」「ガレット・デ・ロアの秘密」「オッソ・イラティをめぐる不和」「理不尽な酔っぱらい」「ぬけがらのカスレ」「割り切れないチョコレート」の7作を収録。
シリーズ2作目の「ヴァン・ショーをあなたに」も図書館に予約中。
もうちょっとで回ってきそうなので今から楽しみ~♪
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