大倉崇裕/福家警部補の挨拶
内容(「BOOK」データベースより)
本への愛を貫く私設図書館長、退職後大学講師に転じた科警研の名主任、長年のライバルを葬った女優、良い酒を造り続けるために水火を踏む酒造会社社長―冒頭で犯人側の視点から犯行の首尾を語り、その後捜査担当の福家警部補がいかにして事件の真相を手繰り寄せていくかを描く倒叙形式の本格ミステリ。刑事コロンボ、古畑任三郎の手法で畳みかける、四編収録のシリーズ第一集。
面白かった。
最初に事件が起こって、そこで提示された状況から不自然な部分を拾い出し、それに対する証言や言い訳、説明、状況証拠でもって正しい結論を導き出すという、こういう形式のミステリーは判りやすくて好きだな~。
なんだかすごく難しいパズルを誰かが解いているのを、傍で
観戦(?)している感じ。
時間を掛けて少しずつ真実の姿が見えてきて、最後のピースがパチリと嵌って完成したときの気持ちよさ、鮮やかさが気持ちいい。
特に「オッカムの剃刀」は、途中の何気ない会話の内容が意外な力を持って蘇ってくるラストが素晴らしかった。
主役の福家警部補は、小柄で童顔、「刑事には見えない」女性、という設定。
面白い設定ではあるんだけど、事件解決に主眼が置かれているためか主役の彼女を始め登場人物にはちょっとインパクトに欠けるかな、という印象。
「古畑~」まで行ってしまうと遊びすぎかもしれないけど殆どのシーンやエピソードが彼女一人の力で進んでいくのを考えると、もうちょっと登場人物の人となりが判るエピソードがあってもよかったかも。
そんな中では「愛情のシナリオ」で明かされるマイナーな映画好きな一面や、「月の雫」の中での飲み比べのエピソードが楽しかった。
「最後の一冊」「オッカムの剃刀」「愛情のシナリオ」「月の雫」の4編を収録。
ちなみにこの作品、来年1月2日にNHKでドラマ化されるらしい。
福家役は永作博美。うん、いいんじゃないですか。
…と思ったけど、このページの写真を見たらちょっと不安になってきた…^^;
ちょっと作りすぎでは?
私はいつもの永作さんでいいと思うんだけどなあ。
(コケティッシュな部分はちょっと控え目で)
でも、まあ一応チェックしてみよう。
小説のほうはシリーズ化されてこのあとも順調に本数を増やしているとのこと。
今後の続刊が楽しみ♪
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