加藤実秋/インディゴの夜 ホワイトクロウ
内容(「BOOK」データベースより)
スタイリッシュで、個性的なホストが集うclub indigoはオープン三年目を迎え、リニューアルを決定。ある伝手で有名インテリアデザイナーに内装を依頼した。改装工事の間、店は仮店舗で営業することになる。そんなバタバタの中、ホスト達はそれぞれトラブルに見舞われて…。ジョン太、アレックス、犬マンがプライベートで巻き込まれた事件の顛末に加え、indigoリニューアルに絡む騒動まで勃発。ますます快調なシリーズ第三弾。ホスト探偵団は、今日も夜の街を駆け抜ける。
「インディゴの夜」シリーズの3冊目。
表題作他「神山グラフィティ」「ラスカル3」「シン・アイス」の4編が収録されています。
今回は、「元の店舗をリニューアルするために仮店舗で営業することになった」という設定のせいか店員全体での動きではなく、ホストの誰かがプライベートの部分で巻き込まれた出来事を解決する、という内容がメイン。
その分内容がシンプルでスピード感があって読みやすかったです。
更に、バラバラに起こっているように見えたそれぞれの事件が、ラストに配置された表題作で実はちょっとずつ繋がっていたというのが見えてくる構成もよかったです。
ただ、表題作は始まって数ページで大体どんなトラブルが起こるか読めてしまうという、ちょっとありがちなパターンの話だったり、最後の謎解きが「真相はこういうことだった」と直接書いてあるのはちょっと残念でした。
この、物語の終わらせ方は一つ前の「シン・アイス」にも同じ印象を受けました。
急激に話の方向性が切り替わるのではなく、話を進めつつ伏線とか会話とかエピソードとかで読者にも推理する余地を与えたり、ちょっとずつ結末が見えてくるような書き方をして欲しかったです。
お店のナンバーワンホスト・ジョン太の不器用な恋模様を描いた「神山グラフィティ」が可愛らしくまとまっていて一番好きでした。
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