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2009年3月の6件の記事

2009/03/27

海堂尊/ブラックペアン1988

ブラックペアン1988
ブラックペアン1988

内容(「BOOK」データベースより)
外科研修医世良が飛び込んだのは君臨する“神の手”教授に新兵器導入の講師、技術偏重の医局員ら、策謀渦巻く大学病院…大出血の手術現場で世良が見た医師たちの凄絶で高貴な覚悟。

『チーム・バチスタ~』に東城大学医学部付属病院の院長として登場する高階が、講師として初めて病院に現れた1988年当時のことを描いた作品。

面白かったです!

国家試験に合格したばかりの1年生医師世良の目を通した形で物語が進むので『チーム・バチスタ~』以降の作品のように専門用語や略語、大げさすぎるあだ名の濫用がないし、ストーリーの構成自体もかなりシンプルなのでとてもスムーズに読み進められました。

ミステリーではないので謎解きの要素はないのですが、その分病院内のそれぞれの立場の人間たちの信念や思惑、駆け引きなどがストレートかつ緻密に表現されていて、どっしりした骨太な作品に仕上がっていたと思います。

ラストはその前の流れから想像出来る範囲の展開で意外性はないのですが、そこに至るまでに描かれた経緯や人間関係をきちんと踏襲した内容になっていて説得力があったし表現も緊迫感があり読み応えがありました。

高階院長だけでなく、その後のシリーズに登場する面々の若き日の姿が描かれているのも、シリーズを読んでいる読者には楽しめるポイントなのでは。
田口、速水、島津の同期トリオも研修生としてちょっとだけ登場します。
その後のそれぞれの行く末を暗示するキャラクター設定がされているのはさすがです。

『チーム・バチスタ~』とは舞台設定の時期が異なるためか一緒の流れで取り上げられることが少ない作品ですが、海堂氏の作品の中でもかなり上質な作品だと思います。

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坂木司/夜の光

夜の光
夜の光

出版社 / 著者からの内容紹介
慰めはいらない。癒されなくていい。本当の仲間が、ほんの少しだけいればいい。
本当の自分はここにはいない。高校での私たちは、常に仮面を被って過ごしている。家族、恋愛、将来……。問題はそれぞれ違うが、みな強敵を相手に苦戦を余儀なくされている。そんな私たちが唯一寛げる場所がこの天文部。ここには、暖かくはないが、確かに共振し合える仲間がいる。そしてそれは、本当に得難いことなのだ。

面白かったです。

家族との関係や自分自身の存在に疑問や苛立ち、違和感を抱えいつか自分らしく生きられる場所に辿り着くために「本当の自分」を隠して学校生活を送る4人の男女。
その4人がたまたま入部した天文部で、それぞれが自分と同じように「戦っている」ことに気付き、クールだけど得難い仲間として友情を育てていく物語です。

仲間を見つけたからといって自分の悩みが解決するわけではないけれど、自分以外の人間の言動から問題に直面したときの対処法、柔軟さ、他者に対する優しさ・強さを学び、そして前に進む勇気を貰って成長していく4人の姿が愛情に満ちた優しい筆致で描かれています。

4人の周囲で起こるちょっとした謎を解決することで、少しずつそれぞれの親密度、信頼感を増していくという流れなのですが、謎(事件)自体は高校の校内で起こる事件なのでそんなに派手だったり意外性があったりするわけではありません。
ただ、その特別過ぎない、本当に実際にあり得そうなリアルな感じが却って物語に説得力を与えているように思いました。
特に学園祭のバザーで買ったセーターが原因でトラブルが起こる話は愛のある結末も含め、とても印象的なエピソードでした。
(あと、Gunsの曲が山ほど出てくるエピソードは意外すぎてビックリでした!(笑))

それぞれが語り手になった作品が各1編ずつ(「季節外れの光」「スペシャル」「片道切符のハニー」「化石と爆弾」)と、4人が高校を卒業しそれぞれの道を歩み始めてしばらくしてまた再会する様子を描いた1編(「それだけのこと」)の計5編を収録。
びっくりするようなどんでん返しもなく、全体的に淡々とした展開のまま終始しますが、自分の人生を自分の意志で歩み始めた若者たちの確かな決意が伝わってくるいい作品でした。

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2009/03/18

『PC版「やってはいけない」をやってみた』が面白い

PC Online『PC版「やってはいけない」をやってみた』という連載が始まりました。

タイトル通り、PCの利用に当たって「これはやっちゃダメ!」と言われている項目を実際にやってみて、その結果を報告してくれる、という企画。

例えば、

  • HDDに強力な磁石を近づけてみた
  • CPUやHDD、メモリーを水没させてから使ってみた
  • BIOS書き換え中に電源をいきなり切ってみた

…などなど。

かなり面白いです。

なかでも私が一番好きなのは「キーボードに缶コーヒーをこぼして使ってみた」

糖分と乳製品がたっぷり入った缶コーヒーを1缶まるごと、キーボードに満遍なくかけ、3日間放置した。

そ、そんな大胆な…ビジュアルからしてすごいことになってます(笑)
案の定、このキーボードはこのままご臨終になった模様。
やっぱりPC使いながらコーヒー飲むときは充分注意しなければ…。

でも、このキーボードはともかく、その他の実験の結果を見ると思っているよりもPCがけっこう丈夫なことに驚かされます。

特に「CPUやHDD、メモリーを水没させてから使ってみた」の結果はかなり意外でした。
HDDやUSBメモリなど5種類のPCパーツ(もちろん防水仕様ではない)を30分間水に沈めた後、乾かして使ってみるという無謀な実験にも関わらず全種類ちゃんと動いてしまったのです!
(実際に実験した方もビックリしたのでは?)
もちろん、条件とかパーツの種類とかで結果は変化するのでしょうから自分でわざわざやってみようとは思いませんが、もっと極端に水に弱いのかと思っていたらそうでもないと判っただけでも収穫でした。
実際の使用では『「ついうっかり」30分水の中で放置する』ってことはあり得ないと思うので(笑)、ちょっとくらいの水濡れくらいならすぐに拭いてよ~く乾かせばけっこうイケルのかもしれませんね。

今後も無謀な試みがぞくぞくとアップされる予定のようなので、どんな結果が出るのか楽しみです。

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検索力検定

ネットをうろうろしていたら「検索力検定」というページを発見しました。
出題された課題の回答を検索エンジンを使って見つける、という方式。
8級から1級まで各1問ずつ、計8問の問題が出題されています。

検索するのは好きだし、けっこう得意なので早速挑戦してみました。

結果!

あなたは検索力検定(1級)に合格しました!
おめでとうございます!あなたは検索力検定のすべての級に合格しました!ハッキリ言ってスゴイです。
今のあなたには探せない情報など皆無ではないでしょうか?プロ級です。

やった~♪
ただ、全部調べるのに約1時間掛かりました…ちと掛かりすぎかな。
特に2級の問題が難しかったです。
検索のキーワードがなかなか見つけられなくて、かなりいろんなサイトをグルグル回ってしまいました^^;
それに比べて1級はかなり簡単でした。
1回検索したらアッサリ回答が見つかってしまったので「ホントにこれでいいの?」って逆に不安になってしまい、その回答の妥当性を確認するためにもう一回検索したくらい(笑)
ちなみに回答に辿り着くまでに一番お世話になったサイトはWikipedeaでした。

問題が1問ずつしかないのがちょっと物足りないですが、けっこう楽しいのでお時間と興味ががあるかたは是非挑戦してみて下さい。

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2009/03/05

WBC

帰宅してTVを点けたら野球の試合。
画面には「中-日」の表示。
中日vs日ハムのオープン戦かと思いました…^^;

ところで、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の「クラシック」って何?と思って調べてみたら、Wikipediaに書いてありました。

MLBでは夏のオールスターゲームが別名"Mid Summer Classic"、同様に秋のワールドシリーズが"Fall Classic"と呼ばれている。"World Baseball Classic"という名称には、これらの重要な公式行事と同格であるというメジャーリーグ機構の大会への思いが込められている。
(Wikipedia「ワールド・ベースボール・クラシック」より)

とのこと。
なるほど。

ワールド・ベースボール・クラシック 日本野球機構オフィシャルサイト

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2009/03/01

'09年3月の読了本

  • 黒川博行『てとろどときしん』(講談社文庫)
  • 大石英司『女神(ミューズ)のための円舞曲(ワルツ)』(中公文庫)
  • 有栖川有栖『ダリの繭』(角川文庫)
  • 柳広司『シートン(探偵)動物記』(光文社文庫)
  • 鯨統一郎『なみだ特捜班におまかせ!』(祥伝社文庫)
  • 坂木司『夜の光』(新潮社)
  • 海堂尊『ブラックペアン1988』(講談社)

※感想を書いた本には該当ページへのリンクが張ってあります。

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