柴田よしき/貴船菊の白
内容(「BOOK」データベースより)
秋になったら、いつかあなたが話してくれた、京都の紅葉を見に連れて行って―亡き妻が語ったその地は刑事になって初めての事件で、犯人に自殺された因縁の場所だった。刑事を辞めた男が十五年ぶりに訪れたとき、そこに手向けられていた貴船菊の花束。白く小さな花は、思いもよらぬ真相を男に告げる…。美しい京都を舞台に、胸に迫る七つの傑作ミステリー。
柴田さんは巧い作家さんだと思います。
私も以前は「RIKO」シリーズとか「炎都」のシリーズとかけっこういろいろ読んでいたのですが、最近はあまり手が出ません。
あまりにも巧すぎるので読んでいるとこっちまで心理的に追い詰められてしまい息苦しくなってしまうんですよね。
(緊張の持続にすごく弱いのです。TVや映画もついついそういう作品は避けてしまいます・・・)
なので、柴田さんの作品で安心して手に取れるのは「猫探偵 正太郎」シリーズくらいかも。
そんなヘタレな私なので京都が舞台のミステリー、しかも表紙イラストがちょっと暗めと不安材料が多いこの作品も購入前にちょっと迷いましたが、ちょうど手持ちの本が切れて他にめぼしい本もなかったので思い切って買ってみました。
結果、なんとか許容範囲内でした。
内容としては予想した通り「人間関係のドロドロ系」なのですが、1篇のページ数が少ないので展開が早く、苦しくなる前に読み終わることが出来ました。
作品のイメージとしては残念ながら好きなタイプではなかったのですが、登場人物の人間関係や心理描写、事件の内容、経緯そしてそこに京都ならではの風習やしきたり、景色まで入れて短いページ内できれいに完結させる物語の流れはどれも見事でした。
でもどうせ京都が舞台の話なら、以前読んだ『ふたたびの虹』の続編が読みたかったなあ。
表題作他「銀の孔雀」「七月の喧噪」「送り火が消えるまで」「一夜飾りの町」「躑躅幻想」「幸せの方角」の7編を収録。
RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠 (角川文庫) ![]() | 炎都―City Inferno (徳間文庫) ![]() |
猫探偵・正太郎の冒険〈1〉猫は密室でジャンプする (カッパ・ノベルス) ![]() | ふたたびの虹 (祥伝社文庫) ![]() |
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