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2009/07/18

大倉崇裕/七度狐

七度狐 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M お 4-3)
七度狐 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M お 4-3)

内容紹介
名跡継承をめぐって開かれる落語会の取材に、僻村を訪れた間宮緑。折からの豪雨で孤立した村に見立て殺人が突発、頼みの牧編集長が到着できない状況下で第二の事件が……。 『三人目の幽霊』に続く大人気シリーズ第2弾!

以前読んだ『三人目の幽霊』に続くシリーズ2作目です。
前作を読んであまり好きなタイプの内容ではないなあ、と思ったのですが、そのあと読んだ『福家警部補の挨拶』は面白かったので、ちょっと期待して読んでみました。
…が、残念ながら今ひとつ…。

といっても決してつまらないわけではないんですよね。
むしろ物語の構成や展開はすごく緻密でそれでいてスピード感があり、どんどん読み進むことができる作品でした。
ただ、物語全てが事件とその謎解きに終始していて遊びというか余裕がない(殺人事件が起きているのに「余裕」も何もないと言われればその通りですが)、また事件の動機や犯行方法に容赦がない、救いがないというのが私にとってはちょっとツラかったです。
展開が緻密な分ずっと緊迫した場面が続くし伏線も次々出てくるので、読んでいるこちらも息付く暇なくどんどん追い込まれて行くようでした。

このシリーズは「落語」という古典芸能が重要なモチーフとなっています。
主役が落語を扱う雑誌の編集者であり、その他の主要な登場人物も落語家が殆どですし、物語に重大な影響を与える噺の内容も展開に合わせて丁寧に解説されていて、落語に対する著者の造詣の深さ、愛情が伺われます。
ただ、それがあまりにも密接に悲惨な事件と絡んでいるので、果たしてこれは落語のためになっているんだろうかと逆に心配になるくらいでした…。
う~ん、やっぱり巧い話だったんですねえ。
巧すぎてちょっと苦手、って感じでしょうか。

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