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2010/05/09

小路幸也/モーニング Mourning

モーニング Mourning
モーニング Mourning

内容(「BOOK」データベースより)
大学時代の親友である河東真吾の訃報に接した私。葬儀のため福岡に集まったのは、同じ大学でバンドを組み、四年間一つ屋根の下で共同生活を送った淳平、ヒトシ、ワリョウ。葬儀を終え、それぞれの家へ、仕事へ戻ろうとしたとき、今は俳優となった淳平が言った。「この車で一人で帰って、自殺する」。何故?しかもこんなタイミングで?思いとどまらせるために、私たちは明日の仕事を放り投げ、レンタカーで一緒に東京まで向かう決意をする。「自殺の理由を思い出してくれたら、やめる」。淳平のその言葉に、二十数年前のあの日々へと遡行するロングドライブが始まった。それは同時に、懐しい思い出話だけでは終わらない、鍵をかけ心の奥底に沈めた出来事をも浮上させることになっていくが…。

『東京バンドワゴン』シリーズの小路さんの作品。
とても面白かったです。

40代半ばになった大学時代の親友4人が卒業以来20年ぶりに顔を揃えたのは、もう一人の親友・真吾の葬儀だった…。
こんな場面から始まる小説は、もうそれだけで「ズルい」でしょう(笑)
冒頭からの切ないシーンに既にウルウルしてる私。
その後も数ページに1度は涙を流しながら一気読みでした。

葬儀の帰り道、集まった4人の中の一人で俳優の淳平の「これから自殺する」のセリフに慌てる3人。
そして、彼らは帰りの飛行機をキャンセルして、淳平の自殺を思いとどまらせるためのロングドライブに付き合うことになります。
九州から金沢までの車中で語られる彼らの幸福で、少し切なく苦い青春時代の思い出。
主人公・ダイの実家の離れでの5人の共同生活、忘れられない女性との記憶、そして彼女にまつわる悲しく、苦しい事件とその顛末…。

 

私には彼らのように強烈な思い出があるわけではありませんが、それなりに一緒に遊んだ友達、経験、人間関係もあったのでそうしたものをとても懐かしく思い出したり、また彼らと同様、近しい人を亡くした経験も何度かあるので、そうした時の残された側のやりきれない、どこにぶつけたらいいのか判らない気持ちも蘇ってきてちょっと辛かったです。

途中のある事件の告白やラストの意外性など、いつも読んでいる『東京バンドワゴン』シリーズよりはちょっとハードで辛いエピソードも多く入った話でしたが、全体的にしみじみと落ち着いたトーンの語り口+シーンの切り替えの見事さで気持ちよく、かつ飽きずに読めました。
エンディングも清々しくて、読後感もとても良かったです。

4人が乗る車の中で流れていた80年代のヒット曲もすごく懐かしくて、久々にちょっと聞きたくなりました。
どこかにCDあったかな~?

これも映像で見たいなあ。
映画でもいいけど、車の中と回想シーンが殆どなのでもしかしたらむしろ舞台向きかも。
絶対に見に行きますので、どなたか是非。

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