海堂尊/ジーン・ワルツ
内容(「BOOK」データベースより)
桜宮市・東城大学医学部を卒業、東京・帝華大学に入局した32歳の美貌の産婦人科医、曾根崎理恵―人呼んで冷徹な魔女(クール・ウィッチ)。顕微鏡下人工授精のエキスパートである彼女のもとに、事情を抱えた五人の妊婦がおとずれる。一方、先輩の清川医師は理恵が代理母出産に手を染めたとの噂を聞きつけ、真相を追うが…。
海堂氏の作品にしては全体的に落ち着いていて静かな作品。
なぜならいつものようにひたすらしゃべり倒すおじさんたちが出ていないから(笑)
でも、その静かな登場人物たちの口を借りて表出する体制への批判は今まで以上に熱く激しかったように思います。
物語の内容については「代理母出産」が大きく取り上げられていますが、実際には思ったよりもアッサリと片付けられていたのが意外でした。
もちろん、論点の中心ではあったのですが、それに至る経緯や当事者の事情、葛藤などがスッポリ抜け落ちているのです。
ただその後、その内容だけを描いた『マドンナ・ヴェルデ』という別作品があるということを知って「なるほど」と。
さすが海堂さん、抜かりないですね。
それにしてもヒロインの理恵は無敵すぎます。
だって、自分の身体を清川に託したことも全てその結末に向けての伏線だったわけでしょう。
確かに伏線が回収されていく物語は好きなのですが、あまりに計算が勝ちすぎるのもちょっと引きますね…^^;
ラスト近くは清川先生にとってはほとんどホラーだったはず。
これで女性不信にならないといいのですが。
この作品は来年2月に菅野美穂さん主演で映画化されるとのこと。
う~ん、私の理恵のイメージとはちょっと違うかな~。
清川先生は田辺誠一さん。
こっちは、けっこういいかも。
どんな作品に仕上がるのか楽しみです。
マドンナ・ヴェルデ ![]() |
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