« 恩田陸/夏の名残りの薔薇 | トップページ | 高橋由太/もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ »

2010/08/01

‘10年08月の読了本

  • 浅田次郎『霧笛荘夜話』(角川文庫)
    港の傍に建つ古ぼけたアパート「霧笛荘」に住む6人の住人たちの物語。号泣するという感じではないけど、じんわりと良さが広がっていく作品。人間が生きていく意味とか価値とかを考えさせられる。
  • 高橋由太『もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ』(宝島社文庫)
    設定は悪くないけど、文章が回りくどいし物語のテンポもあまりよくない。300ページ程度の話なのに、半分過ぎても物語の全体像が見えないのは少々辛い。何より始まって10ページで2箇所も誤字脱字があったのが気になった。
  • 愛川晶『神田紅梅亭寄席物帳 道具屋殺人事件』(創元推理文庫)
    落語家・福の助とその妻涼子が持ち込む謎を病気で引退した師匠・馬春が解き明かす安楽椅子モノ。面白かった♪事件と落語の組み合わせ方が上手く読みやすい。作中での内容解説で初心者にも分かりやすかった。寄席に行きたくなる。
  • 石持浅海『心臓と左手 座間味くんの推理』(光文社文庫)
    短編集。ある事件を介して知り合った青年と刑事。その2人の会話だけで構成されるストーリーには無駄がないし、テンポもいい。事件の概要を説明する部分も、それをひっくり返す意外な展開も説得力があって全編とても面白かった。
  • 有川浩『阪急電車』(幻冬舎文庫)
    面白かった~♪短い路線の小さな駅での偶然の出会い。ほんの一瞬の出会いもあれば、それから永遠を約束する出会いもあって…。どれも優しくて心が温かくなる短編集。それぞれの登場人物の配置と組み合わせ方も抜群に上手かった。大満足♪
  • 愛川晶『うまや怪談 神田紅梅亭寄席物帳』(原書房)
    シリーズの3冊目。(何故か2冊目は図書館になかった)ちょっと凝りすぎかな。話が複雑すぎてよくわからない部分があった。あと、悪いやつにももうちょっと可愛げがあって欲しい。徹底しすぎると読んでいて辛い。
  • 乙川優三郎『露の玉垣』(新潮文庫)
    最近口当たりの良い現代小説ばかり読んでいたので、急に歴史小説を読むと頭と目が付いていかない。しかも新発田藩家中の血縁関係、人間関係が複雑すぎる…(泣)でも、貧困に立ち向かう新発田藩の人々を丁寧に描く抑制のきいた文章はとても美しかった。
  • 畠中恵『こころげそう』(光文社文庫)
    う~ん…なんだかあまりスッキリしないなあ。幼馴染同士の友情や恋愛と事件があまり上手くリンクしていなかったような気がする。どちらか片方をメインにしたほうがよかったんじゃないのかな。勢いのある語り口や物語のテンポはよく読みやすかった。
  • 誉田哲也『武士道シックスティーン』(文春文庫)
    面白かった!魅力的なキャラクター、ストレートな文章、テンポのいい展開、どれもとてもよかった。女の子同士の青春+友情ものだけど、巧みな設定でサッパリした仕上がり。それでいて泣き所もちゃんとある。前向きなエンディングもよかった。
  • 荒木源『ちょんまげぷりん2』(小学館文庫)
    14歳になった友也が江戸時代にタイムスリップしてしまう…という話。展開がスピーディーで読みやすかったけど、あまり笑える部分はなかったのが残念。友也の成長物語という位置づけなんだろうけど、それにしても辛いエピソードばかりだった。
  • 海堂尊『ジャネラル・ルージュの伝説』(宝島社文庫)
    『~凱旋』の過去、現在、未来を描いた短編集。やはり速水は海堂作品の中で最強のキャラかもw「海堂尊物語」、「自作解説」、「海堂尊ワールド」(桜宮市年表とか登場人物一覧とか)付き。
  • 麻耶雄嵩『貴族探偵』(集英社)
    ネットのレビューで「貴族探偵ってそういう意味だったのか!」ってのが多かったんだけど、私もその感想を書いておこう。「そういう意味だったのか!」w 人を喰った設定がなかなか効いていたし、展開もスピード感があってサクサク読めた。
  • 高田崇史『毒草師』(講談社文庫)
    [QED Another Story]とのことだけど、タタルも奈々も出てこない。でも「変人が変な事件の謎を解く」のは同じ。今回も一つ目とか鍛冶職人とかの話が出てくるし。ただ、今までのQEDよりも幾分スピーディな展開で謎解きも分かりやすかった。
  • 蒼井上鷹『堂場警部補の挑戦』(創元推理文庫)
    話の内容よりも、構成がメインの作品。ひねり方は徹底してて「こういう方法もあるのか」と思うけど、内容はあまり好きじゃなかったな…。
  • 南英男『警視庁特命遊撃班』(祥伝社文庫)
    登場人物が多くて関係が複雑なんだけど、みんなすごく協力的(?)でドンドン喋って会話だけで進んでしまうので盛り上がりがないまま終わってしまった感じ。しかも最後のほうの関係性のまとめ方はかなり強引だったと思うなあ。
  • 山本弘『アリスへの決別』(ハヤカワ文庫JA)
    SF短編集。現代人の思考や慣習を風刺した最初のほうの作品は面白かったけど、後ろに行くに従って設定が難しくなって最後の「夢幻潜航船」はどんな状況なのかも理解困難だった。やっぱり私はSF向きじゃないかも。
  • 誉田哲也『武士道セブンティーン』(文藝春秋)
    『~シックスティーン』の続編。相変わらず展開がスピーディーで読みやすい。香織と早苗が交互に語り手になる「地の文」の軽快な語り口がとてもいい。『~エイティーン』も楽しみ!
  • 誉田哲也『武士道エイティーン』(文藝春秋)
    完結編。最後まで懸命で真っ直ぐで明るくて気持ちのいい作品だった。ただ、香織と早苗以外の話は2人の決着が付いてから別口で書いて欲しかったなあ。ちょっと集中力が削がれた。
  • 菊池幸見『泳げ、唐獅子牡丹』(祥伝社文庫)
    設定は面白いんだけど、文章がついていってない感じ。ストーリー自体は緩急があるのに、それが生かされずに全体的に平板な印象。それにしてもあのラストはどうなんでしょう?私はタイトル通り、泳ぐ場面で終わったほうが良かったと思うけど。
  • 森博嗣『トーマの心臓 Lost heart for Thoma』(メディアファクトリー)
    原作のことを知らなければこれはこれでいい作品だと思う。(設定はともかく)読みやすいし。それぞれのファンの中に「私の」『トーマ』があって、それを全て網羅することは出来ない。それが判っていて敢えてこの作品を書いたことには敬意を表したい。

|

« 恩田陸/夏の名残りの薔薇 | トップページ | 高橋由太/もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

読了本」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29699/49069351

この記事へのトラックバック一覧です: ‘10年08月の読了本:

« 恩田陸/夏の名残りの薔薇 | トップページ | 高橋由太/もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ »