万城目学/プリンセス・トヨトミ
内容(「BOOK」データベースより)
このことは誰も知らない。五月末日の木曜日、午後四時のことである。大阪が全停止した。長く閉ざされた扉を開ける“鍵”となったのは、東京から来た会計検査院の三人の調査官と、大阪の商店街に生まれ育った二人の少年少女だった―。前代未聞、驚天動地のエンターテインメント、始動。
面白かった~!!
会計検査院のエリート調査官と女の子になりたい男子中学生+その幼馴染の女子中学生…第1章が終わった時点ではこの組み合わせでどんな話が展開するのか全く予想出来なかったけど、まさかこんな話だったとは!
実在する地名、固有名詞を多用して超現実的な大阪を舞台にしていながら、そこに描き出されるのは壮大なSFファンタジーの世界だった。
「あり得ない!」と思いつつ、その緻密に計算され積み重ねられられる設定にどんどん惹きこまれていく。
特にクライマックスに向かって状況がどんどん盛り上がっていくあたりのパワーが凄い。
長い間秘められていた場所に向かってただ進んでいく物語の中の人物たちの興奮と熱気がこちらにまで伝わってくるようだった。
そしてその山場を越えてからエンディングに向けての収束の仕方も見事。
広げまくった風呂敷を端から音が聞こえそうなくらいきれいに畳んでいく手際が素晴らしかった。
「鴨川ホルモー」を読んだときも思ったけど、万城目さんの文章は非常に映像的だよね。
「鴨川~」のときは先に映画化されたときの写真を見ていたのでそう感じるのかな?とも思ったけど、この作品はそうした画像を見ていないにも関わらず登場人物の表情や言動、立ち位置、周りの情景まで、まるで書いてある内容がそのまま頭の中のスクリーンに映し出されるようにクッキリと思い描けるような作品だった。
この作品も来年の夏に映画化されるらしい。
自分の思い描いた内容がどんな風に実際にスクリーンに出てくるのかすごく楽しみ。
(「イメージが違っていたらイヤだな」とあまり思わずに、単純に楽しみに思えるのもこの作品の不思議なところ)
Wikipwdeiaの情報によると会計検査院の3人は松平:堤真一、旭:岡田将生、鳥居:綾瀬はるからしい。
堤さんの松平はぴったりだな~。
本を読んでる途中でこの情報を知ったので、私の脳内スクリーンでも松平は堤さんだったものw
部下の2人は男女逆転してるけど、考えてみるとなるほどなキャスティング。
中学生に見えるおじさんって探すの難しそうだもんねw
でもそうするとラスト近くで大阪府警で展開されるあの即興劇はどうなるのか…?
それ以上に、原作のラストの旭の告白のシーンはどうするのかな?あれは旭が女だから有効だろうに…といろいろ想像してみたり。
それもまた楽しからずや。
なにより、あの壮大な大阪城決戦がどんな演出になっているかが楽しみ。
早く見てみたいな~♪
それにしても大阪だったらホントにこういう意味はよく判らないけど奥が深い、壮大な地下組織がホントにありそうだと思えるところが何よりスゴイと思うな(笑)
楽しい時間だった♪
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