‘10年10月の読了本
- 『バンド臨終図鑑』(河出書房新社)
'60年以降に結成された東西の音楽グループ200組の解散理由解説本。人気、お金、才能…どれも「あればいいってもんじゃない」らしい。表現する人って個性的だからみんなで集まって上手くやるのは難しいのかも。ほとんどのバンドが半ページ~多くて2ページなのに対してX JAPANに6ページ半も使ってあったのが印象的。 - 新田次郎『梅雨将軍信長』(新潮文庫)
数学や気象をテーマにした歴史・時代小説の短編集。「こういうことがありました」ということだけが淡々と書かれている作品が多いのでちょっと物足りなかった。そんな中、大奥の権力争いの結果、男装で富士山に登ることになる奥女中を描いた「女人禁制」は意外な展開+結末で面白かった。 - 宮部みゆき『おそろし』(角川グループパブリッシング)
三島屋で語られる一つ一つの物語はどれも語り口が見事で引き込まれる内容だったけど、最後の屋敷との対決の部分は今ひとつ何が起こっているのかよく理解できず、感情移入出来無いまま終わってしまった…という感じ。ちょっと消化不良気味。 - 万城目学『鹿男あをによし』(幻冬舎文庫)
ユニークな設定が面白かった。展開もスムーズで読みやすかったんだけど、前半で先が見えないまま話が進む部分がやや長くて、途中ちょっと飽きた。偉そうな喋りかたの鹿がよかったw - 佐藤雅美『捨てる神より拾う鬼 縮尻鏡三郎』(文春文庫)
縮尻鏡三郎というシリーズものらしい。短編で読みやすいし、物語の導入部や展開も面白いんだけど、結末があっけなさ過ぎて物足りない。せっかく盛り上がってるんだからもうちょっと派手な演出があってもいいのでは。 - 山本一力『菜種晴れ』(中央公論新社)
いつも通り、才能があり、人間的にもよくできた主人公が困難にあいながらもそれを乗り越えて強く生きる話。でも、いくら才能があっても、人間が出来ていても大切な人を次々と失っていく主人公の二三が可哀想すぎる。暗い話ではないけど、その明るさを全て二三の才能、性格だけに負わせるのは無理があると思う。悪いヤツは一人も出てこない、それどころかみんなが他人のことを思いやって生きているきちんとした人間ばかりの物語なのに、読み終わったあとスッキリ笑って「よかったね」って思えないのはなんだか悲しい。 - あさのあつこ『火群(ほむら)のごとく』(文藝春秋)
六万石の小藩・小舞藩の政権争いに巻き込まれてゆく元服前の4人の少年達の物語。面白かった!個性的な少年4人がとにかく魅力的。セリフもいいし、小舞のあふれるような自然と美しい情景、美味しそうな食べ物の描写も素敵だった。最後の方ちょっと性急にバタバタとまとめて終わってしまった印象。でも希望のあるエンディングはよかった。NHKあたりでドラマ化されそうな感じ。 - 浅田次郎『中原の虹 第3巻』(講談社文庫)
読み終わるまでに10日近くかかってしまった…。あまりにもタラタラ読んでいたので、内容がよく把握できなかった。物語自体、2巻までの急展開が落ち着いて、「嵐の前の静けさ」といった雰囲気だったように思う。次は最終巻。もうちょっと集中して読もう。 - 岩崎夏海『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(ダイヤモンド社)
「ビジネス書」だと思って読んでいたのに、あとがきに「小説」と書いてあってビックリした。小説でこの文章のヘタさはまずいでしょう^^;内容は難しくないので、文章に慣れればサクサク読めます。
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