柄刀一/時を巡る肖像
イタリア帰りの絵画修復士・御蔵瞬介を探偵役にしたミステリー。
事件の内容や人間関係が複雑で判りにくい部分が多かったし、美術品絡みの謎を扱っているとは言っても探偵役が絵画修復士である必然性もちょっと希薄だったような。
(同じ修復士を主人公にした北森鴻さんの「佐月恭壱シリーズ」の濃密な描写が印象に残っていたからかも)
瞬介が依頼を受けた家族の秘密に関わる物語ばかりだったけど、むしろ私は瞬介自身の家族(亡き妻シモーナと彼女が遺した一粒種の圭介)の話が読みたかったな。
表題作他「ピカソの空白」「『金容』の前の二人」「遺影、『デルフトの眺望』」「モネの紅い睡蓮」「デューラーの瞳」の6編を収録。
「デューラーの瞳」はどこかで読んだような気がするな~と思ったら、去年の6月に読んだ『名探偵の奇跡』というアンソロジーに入っていた短編だった。
ちゃんと覚えていてホッとしたw
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- '09年8月の読了本(2009.08.01)
- 樋口裕一/読ませるブログ 心をつかむ文章術(2009.07.29)
- 大石直紀/輪廻の山 京の味覚事件ファイル(2009.08.03)
- '09年9月の読了本(2009.09.01)
- 海堂尊/ひかりの剣(2009.09.13)
「読了本」カテゴリの記事
- '09年8月の読了本(2009.08.01)
- 樋口裕一/読ませるブログ 心をつかむ文章術(2009.07.29)
- 大石直紀/輪廻の山 京の味覚事件ファイル(2009.08.03)
- '09年9月の読了本(2009.09.01)
- 海堂尊/ひかりの剣(2009.09.13)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント