月島総記/巴里の侍
明治初期、フランス留学中に勃発した普仏戦争に市民兵として参加した日本人の青年を描いた小説。
「ダ・ヴィンチ文学賞A.S.(アナザーステージ)ゼロワングランプリ」大賞受賞作。
導入部がもたついたけど、パリが戦闘状態になり正名が市民兵としてその戦いに参加していく後半はスピード感があってサクサク読めた。
登場人物も主人公の正名をはじめ魅力的な人物が多かったんだけど、心理描写や会話の部分の描写が今ひとつで共感できるというところまでいかなかったのが残念。
敵役のフランス正規軍将校がほとんど人間的な性格を与えられず、ステロタイプな嫌なヤツに設定されていたのも気になった。
正名側の一方的な正義の物語ではなく、敵側の葛藤や苦悩も描いて欲しかった。
ちなみに主人公の前田正名は明治期に活躍した実在の人物。
若い頃パリに7年間留学していたのは事実だけど、この小説のように普仏戦争に参加したかどうかは不明。
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