畠中恵/こいしり
『まんまこと』の続編。
表題作他「みけとらふに」「百物語の後」「清十郎の問い」「今日の先」「せなかあわせ」の6編を収録。
一話目(「こいしり」)では麻之介が前作で知り合ったお寿ずと祝言をあげて夫婦にまでのあれこれが描かれる。
いくらお気楽者の麻之介でも結婚して妻を娶るというのは大事件のはず。
それなのに、それ以降最終話(「せなかあわせ」)までお寿ずの気配が物語の中に殆ど感じられないことに違和感があった。
「それでこそお気楽者の面目躍如」という考え方もあるかもしれないけど、前作での設定では麻之介のお気楽な性格は天性のものではなく借り物であるはず。
だとしたら今まで他人だった女性が自分の妻、家族となったことに対してよくも悪くも何らかの変化がありそうなものだと思うんだけど。
いつもの3人衆が出かけていって、いつのまにか騒動に巻き込まれるそれぞれの話の顛末は面白いものが多かっただけに、その部分がすごく気になった。
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