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2011/02/05

山本兼一/千両花嫁

千両花嫁―とびきり屋見立帖
千両花嫁―とびきり屋見立帖

幕末の京都。
由緒ある茶道具屋を営む「からふね屋」の娘・ゆずと元奉公人の真之介は駆け落ち同然に店を出て二人だけで祝言を挙げてしまう。
二人が始めた道具屋「とびきり屋」で巻き起こる騒動を、持ち前の明るさと機転、そして商売の知恵で切り抜けていく。

表題作の他、「金蒔絵の蝶」「皿ねぶり」「平蜘蛛の釜」「今宵の虎徹」「猿ヶ辻の鬼」「目利き一万両」の7編を収録。

川上和生さんの明るく柔らかく可愛らしいイメージのイラストの表紙が印象的。
この表紙からもっとふんわりした口当たりのいい柔らかい話を想像していたら、身分違いの結婚を許してくれないゆずの家族や婚約者が真之介への態度がすごく陰険だったり(まあ、愛娘&許婚を「盗られた」側としては当然かも)、店に出入する勤皇志士の悪質ないやがらせに対処したりとけっこうシリアスな内容が多かったのでちょっと意外。

それでも、その中に真之介とゆずの、お互いを愛おしく思う気持ち、店と商売と奉公人を大切に思う気持ち、周囲の人を思いやる気持ちが物語の端々に感じられて気持ちよく読めた。
特に勝気で頭がよく、度胸があって機転が利くゆずの活躍が鮮やかで印象的。
ゆずの実家「からふね屋」の家族(両親+兄)みんなヤーな感じなのに、末娘のゆずだけが美人で明るくて性格も頭もいい娘に育ったのか謎だ。
「とびきり屋」の番頭や手代たちも個性的な顔ぶれが揃っているので、もっとそれぞれの個性が前面に出る内容があってもよかったかも。

店の客として新撰組や龍馬、高杉など歴史上の人物が入れ替わり立ち代り登場する。
主人の真之介は独学で身に付けた簡単な観相学でそれぞれの登場人物の顔立ちから人物像を密かに鑑定し、それがその後の物語につながっていくという設定も面白かった。

赤子の頃に捨てられていた真之介の出生の秘密が判りかける…という微妙なところで終わるので「あれ?」と思っていたら続編があるらしい。
『ええもんひとつ』
早速図書館に予約。
楽しみ♪

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