富樫倫太郎/SRO〈2〉死の天使
重症患者を死に導くことを神から与えられた使命と信じ勤務する病院で殺人を繰り返す医師と、彼の犯行を立証し逮捕するために奔走する警視庁のお荷物部署「広域捜査専任特別調査室」(SRO)メンバーたちの攻防。
SROは警察内外からの要望に応える形で新設された部署で、今までの警察組織に馴染まないその存在は警察内部では敵視されている。
その一方、優秀なメンバーが思いがけない大事件を探し当て(強引な手段ながら)解決してしまう…そしてそれが更に反感を買う、というよくあるパターン。
それでも「前の事件で暴走した影響でメンバーの半分が自宅謹慎+入院中、残りも外出禁止」という制約のある中でどうやって犯人像に迫っていくかという流れがスムーズで面白かった。
また、狂信的なシリアルキラーという「どこかで読んだような…」という感じの犯人側も、一見穏やかな良識人でしかも優秀な医師である琥珀が徐々に本性をむき出しにしていくさまが不気味に描かれていて効果的。
ただ、そこまでの丁寧な工程に比べて終わり方がちょっと乱暴であっけなかったのが残念。
SROと犯人が直接対決する緊迫したシーンをもっと読みたかったな。
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