‘11年03月の読了本
- 木内昇『漂砂のうたう』(集英社)
最初のほうは話がどう進むのか見えなくてなかなか進まなかったけど、中盤過ぎてからは面白くなって一気読み。決して明るい話ではないし、主人公の不甲斐なさにイライラすることもあるけど、それを全て受け止める結末が印象的だった。 - 『ぼくの歌が君に届きますように』(ポプラ社)
6人の作家による青春音楽小説アンソロジー。音楽と青春がテーマなので爽やかなサラッとしたおはなしがほとんど。その中で18世紀のヴェネツイアを舞台にした「ピエタ」(大島真寿美さん)のしっとりと落ち着いた雰囲気がよかった。続きが読みたくなる作品。 - 大倉崇裕『やさしい死神』(創元推理文庫)
『三人目の幽霊』『七度狐』に続くシリーズ3作目。前の2冊は人物設定や事件の内容が何となくしっくりこなかったけど、今回は面白かった。編集者としても落語ファンとしても成長した緑と上司の牧のやり取りも、日常の謎系の内容や結末もスムーズで全編すごく楽しめた。 - 井上ひさし『東慶寺花だより』(文藝春秋)
縁切り寺である鎌倉・東慶寺に駆けこんでくる女たちの姿を描いた連作短編集。1編3~40ページの小編だけど、それぞれの夫婦や家の姿が作品ごとに描き分けられてどれも面白かった。傷ついた女たちを暖かく迎える東慶寺の御用宿・柏屋の主人や奉公人の描写もいい。
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