山本一力/たすけ鍼
江戸・深川の鍼灸医 染谷(せんこく)が天才的な鍼灸の腕と、人柄でさまざまな問題を解決していく物語。
最初の2編のみ短編で、その後は続き物という構成。
短編2編は読みやすく面白かったけど、その後はそれまで平穏無事そうだった染谷の周囲で急に次から次へと事件や騒動が持ち上がるので慌しい。
人の出入りが多くて、しかもみんな似たような大店の主人ばかりで誰がどんな人物なのかわかりづらかった。
一番ガッカリしたのは決着がつかないままの事件が残っているのに物語が終わってしまったこと。
ネットで検索したらどうやら続編があるらしい。
なんらかの事情でこの作品だけでは完結できなかったのかもしれないけど、それならそれで本にするときにちゃんとその旨書いておくのが読者に対する礼儀じゃないのかなあ。
登場人物の性格や行動、物語の展開はいつもの山本さんの作品らしく、丁寧で気持ちのいいものだっただけにその部分が残念だった。
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コメント
そうなんですよね。
最後、全くすっきりしない終わり方で、ひっかかってました。
続編があるんですね、どうりで……。
でもそれならそれで、一言欲しいです、ほんと。
投稿: KOROPPY | 2011/03/04 12:25
■KOROPPYさん
こんにちは。
KOROPPYさんも読んでいたんですね。
ページがどんどん少なくなるのに野田屋の話がサッパリ出てこないので「これでホントに決着着くの?」と思っていたら、そのまま何の断りもなく終わってしまったので呆然としてしまいました。
>それならそれで、一言欲しいです
同感です。
山本さんの作品はまっとうな人の努力がきちんと報われていくのが気持よくて大好きなのですが、だからこそこういうところにもきちんとして欲しいと思います。
コメントありがとうございました。
投稿: tako | 2011/03/04 20:05