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2011/04/01

‘11年04月の読了本

  • 小路幸也『ピースメーカー』(ポプラ社)
    運動部と文化部が対立する中学校で起こるトラブルをどちらにも属さない放送部の男子2人が解決していく物語。明るくて元気がよくてさっぱりしていて楽しかった。主人公の2人が変に大人っぽくなくていい。それにしても先生が面倒くさすぎる学校だなw
  • 松井今朝子『吉原十二月』(幻冬舎)
    月ごと、季節ごとの吉原の行事や風習、しきたりを2人の性格の全く違う売れっ子花魁を主人公にして描いた連作短編集。相変わらず丁寧な文章で読みやすかったけど、何故かなかなかページが進まず。2人の花魁と語り手(郭の主人)の距離がちょっと近すぎる感じがした。
  • 柳広司『ジョーカー・ゲーム』(角川書店)
    面白かった!「007」には全然興味がないけど、こういうスパイ小説は好きだなあ。信じられるのは自分だけの頭脳+心理戦。派手さはないけど、緊張感のある文章に引き込まれて一気読みだった。早速続編『ダブル・ジョーカー』も予約。楽しみ♪
  • 樋口有介『船宿たき川捕物暦』(筑摩書房)
    文章、特に会話文がすごく読みやすいし、主人公を始めとした登場人物の設定も個性的かつ丁寧で面白かった。内容も複雑な事件をスムーズに誘導していたと思うけど、ちょっと長すぎかなという気もした。でも初の時代小説でここまで書けるのは凄い。続編にも期待。
  • 三上延『ビブリア古書堂の事件手帳』(メディアワークス文庫)
    北鎌倉の古書店を舞台にしたミステリー。謎もその中で扱われる古書も本格的、なのに読みやすくて面白かった。古書店の美人店主・栞子をはじめ登場人物もキャラがはっきりしていて好印象。ただ、最後の話の展開にはちょっとモヤモヤが残った。
  • 北森鴻『香菜里屋を知っていますか』(講談社文庫)
    香菜里屋シリーズ最後の作品集。常連の幾人か、そしてマスター工藤の旅立ち。その後、他のシリーズの主役たちを集めて工藤の過去を語らせる見事な幕切れ。あまりにも見事すぎて泣けた。この魅力的な人たちの物語をもう読めないかと思うと、本当に悲しい。
  • 樋口有介『初めての梅ー船宿たき川捕物暦』(筑摩書房)
    シリーズ2作目。前作同様スムーズな文章で読みやすかったけど、内容は話の筋がいくつもあって複雑だし、登場人物も多すぎて今ひとつピリッとしなかった。長編ではなく、それぞれ短編にして最後にまとめる形式のほうがよかったのでは。
  • 柳広司『ダブル・ジョーカー』(角川書店)
    『ジョーカー・ゲーム』の続編。前作同様、役目に徹したスパイたちのストイックな仕事ぶりが魅力的。特に表題作はオチが想像つくのに、その通りに終わってくれるのが小気味いいという鉄壁な構成。また続きが読みたいなあ。

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