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2011年5月の4件の記事

2011/05/29

映画:阪急電車

有川浩の同名小説の映画化。

どのエピソードも原作の内容が丁寧に再現されていてとてもよかった。
最初に聞いたときは「ちょっとイメージ違うかも」と思った人もいた配役も、実際にスクリーンで見てみるとちゃんとその役にぴったりの佇まいでそこにいるので安心して見ていられた。

翔子役の中谷さんがとても綺麗だった。
何故彼女を振って後輩女子と結婚できるのか謎だw
宮本さんも柔らかいけど自分の意見は可愛い孫娘にもハッキリ言うという時江役にぴったり。
電車の中で翔子と話すシーンはとてもよかった。
ただ、最後にオバサン集団にお説教するシーンはちゃんとセリフも入れて欲しかったな。
ミサ役の戸田恵梨香ちゃんはどこで出てきても「細っ!」「足長っ!」って感じw
笑顔も可愛いし。
この子の場合もこんな可愛いのにDVなんてあり得ないだろ。
戸田ちゃんの友人役で相武紗季ちゃんもちょっとだけ登場。
カッコイイ役だった。
愛菜ちゃんは可愛いし確かに上手いんだけど、単純な役だったせいか今ひとつかな。
むしろちょっとしか出てこないけど中谷さんと絡む小学生の女の子(高須瑠香ちゃん)が印象的だった。
圭一くんと美帆ちゃんカップルも可愛かった♪
「生」のエピソードがなかったのが残念。

本で読んだときに「こんな感じかな」と想像していた電車の中での位置関係や、駅や周囲の様子も思い描いていたのとかなり近くて改めて有川さんの描写力の的確さを感じてみたり。

ただ、普段アクション系の映画ばっかり見てるせいか、シーンとシーンの繋ぎ目のゆったりし過ぎていてちょっとダレる感じ。
もうちょっとテンポよく切り替わって欲しかったかな。

「阪急電車」公式サイト

オリジナルサウンドトラック「阪急電車 片道15分の奇跡」
オリジナルサウンドトラック「阪急電車 片道15分の奇跡」
阪急電車 片道15分の奇跡 OFFICIAL FILM BOOK (TOKYO NEWS MOOK 226号)
阪急電車 片道15分の奇跡 OFFICIAL FILM BOOK (TOKYO NEWS MOOK 226号)
阪急電車 (幻冬舎文庫)
阪急電車 (幻冬舎文庫)
 

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2011/05/25

有川浩/植物図鑑

植物図鑑
植物図鑑

多少覚悟はしていたけど、そんなものでは足りないくらいストレートに激甘なラブストーリー。
出会いのきっかけからしてすごいシチュエーション。
「ヒロインが酔って帰ってきたらマンションの前に行き倒れてる男がいたので拾ってきた」って…拾わないだろ、フツー(ーー;)
でもこれ、男女の立場が逆転してるから「すごい」と思うだけでむしろありがちなストーリーなのかな、という気もする。
拾った男をその後も置いておく気になったのも「彼が作ってくれた翌日の朝食」だし。
でも、出会った2人を街からちょっと離れた郊外の自然の中に連れ出して山菜(野草)採り+それを使った料理の数々というファクターを加えることでその「ありがちなストーリー」が新鮮なものになっていたし、2人の関係や気持ちの変化を丁寧に描いたストーリー展開やエピソードの使い方、自然でリズムのあるセリフはやはり上手くてするする読めた。
特にイツキがいなくなった当日の描写は圧巻。
突然の出来事を取り乱すこともできずただ静かに受け入れることしかできないさやかの深い喪失感を見事に表現していたと思う。

ただ全編を通してイツキがどんな男の子かはよく判るのに、さやかは「イツキが好き」ってことしかさっぱり判らなかった。
(語り手がさやかだから仕方ないのかもしれないけど)
好きなこととか趣味とか友達とか家族とか仕事とか。
イツキに会う前もさやかは生きていたんだろうにその形跡がほとんど判らない。
これだけだと「素直で可愛いけど、何も知らなくて何も出来ないヒト」にしか見えないんだけど。
もうちょっとそうじゃない部分があってもいいのでは?と思うんだけどなあ。
それとも「素直で可愛ければいい」ってことなんですか。そうですか。

ともあれ、普段ラブストーリーを読み慣れない私はかなりお腹いっぱいになりました。
ごちそうさまでした。

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2011/05/16

映画:ブラック・スワン

怖かった~(>_<)
「サイコサスペンス」と聞いていたけど、私にとってはほとんど「ホラー」の世界(泣)
普段観る映画はあまり深く考えないで笑えるアクション映画が多いし基本的に怖い話が苦手なのでこういう作品に免疫がないせいかもしれないけど、それにしてもこんなに怖いとは思わなかった。

とにかく主役のナタリー・ポートマンの存在感が圧倒的。
完璧な技術を持ちながら消極的な性格のため舞台で大きな役に恵まれないバレリーナのニナ。
自分の技術や努力に対する自負、それが認められないことへの焦燥感や挫折感、いつまでも自分を子供扱いしてコントロールしたがる母親への苛立ちなどで不安定に揺れ動くニナの心理がごく短いシーンの積み重ねの中で的確に表現されていた。
そのニナが次の公演の主役に抜擢されることで起こる他のメンバーとの軋轢、自分が欲しいものを持っているライバルへの憧れと嫉妬、演出家との駆け引き、そして何より大役を与えられたことへのプレッシャーで更に混乱しどんどん壊れていく様子が凄まじかった。

特にニナの身体のあちこちが傷つき血が流れるシーン(ニナの妄想)では怖くて目を開けていられない部分がいくつもあった。
いつも見るアクション映画でも殴られたり、蹴られたり、刀で斬られたり、銃で撃たれたりなど傷ついたり血が流れるシーンはたくさんあるけど、そういうのよりも身体の一部分に集中的に加えられる痛みの描写のほうが精神的にキツイ。
(多分、痛みを自分で想像できるから)

という感じで痛かったり怖かったりするシーンはたくさんあったけど、その狂気の果てに辿り着くラストは意外なほどきっぱりと潔く、清清しささえ感じられてここだけは安心できた。
一般的に言うと決して「ハッピーエンド」ではなかったけど、彼女にとっては幸せな結末だったのかも。

全編緊張感に溢れた濃密な2時間で作品としてはすごくよくできていて面白かったけど、私の脆弱な神経は限界ギリギリ。
といいつつ、ひと晩寝たら引きずらないあたりは図太いと思うけどw
ニナもこんな性格だったらあんなに壊れなくて済んだのにねw

映画『ブラック・スワン』公式サイト

ブラック・スワン (ナタリー・ポートマン 主演) [DVD]
ブラック・スワン (ナタリー・ポートマン 主演) [DVD]
ブラック・スワン オリジナル・サウンドトラック
ブラック・スワン オリジナル・サウンドトラック

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2011/05/01

'11年05月の読了本

  • 宮部みゆき『あやし』(角川ホラー文庫)
    随分前に買った文庫を再読。「怪談話」ということだけど、怖さよりも切なさ、哀しさが前面に出た短編集。文章の読みやすさ、展開の巧みさはさすが。あ、この文庫の表紙イラストは今市子さんだったのか。気づかなかった。イメージは「梅の雨降る」かな。
  • 『源氏物語 九つの変奏曲』(新潮文庫)
    「人気作家9人が織り成すまったく新しい「源氏物語」」というコピーがついていたけど、思ったよりも原作に沿った物語が多かったのが残念。その中では町田康の「末摘花」がオリジナリティがあって楽しかった。特に頭の中将の描き方が最高!他の話も読んでみたいなあ。
  • 諸田玲子『狸穴あいあい坂』(集英社文庫)
    ひょんなきっかけで知り合った火盗改の娘 結寿と町方の隠密同心 妻木がいくつかの事件を通して惹かれあって行く様子を丁寧に描いた連作時代小説。頑固者の結寿の祖父や元幇間の小者、大家の子供たちなど脇役の設定もきっちりしていて読みやすかった。
  • 宮部みゆき『あんじゅう』(中央公論新社)
    『おそろし』の続編。三島屋の黒白の間で語られる物語そのものはどれも面白かったけど、そこに至るまでの前置きがちょっと長すぎたような気もする。…と言いつつ表題作にはボロ泣きだったけど。ふんだんに挿入された南伸坊さんの挿絵も雰囲気ぴったりでよかった。
  • 小路幸也『オブ・ラディ・オブ・ラ・ダ 東京バンドワゴン』(集英社)
    今年も届いた堀田家の物語。今回もそれぞれがお互いを思いやり、大切にしたいと願う気持ちが溢れていた。それでも人は別れていく。別れは悲しいけれど、そこで立ち止まることなく前を向いて歩いて行こう。また誰かに出会うために。
  • 中島京子『冠・婚・葬・祭』(筑摩書房)
    「冠」「婚」「葬」「祭」それぞれをテーマにした4つの物語。どの物語もすごく静かで穏やか。そしてその中に品のいいユーモアと懐かしさがあって、読み終わると鼻の奥がツンとする感じ。特に「葬式ドライブ」は設定も登場人物もちょっと不思議でとてもよかった。
  •  中島たい子『漢方小説』(集英社)
    初めての作家さんだけど読みやすくて面白かった。登場人物の設定や状況の説明に感じられるユーモアのセンスが抜群。主人公の経験を通して語られる漢方医療の基礎には説得力があって、思わず漢方のお医者さんに診てもらいたくなった。近所で探してみようかな。
  • 冲方丁『天地明察』(角川書店)
    期待以上に面白かった!迷ったり悩んだり挫折したり落ち込んだりしながらも、いつかそこにたどり着くことを信じて改暦という難事業に挑み続ける春海の姿が清々しく心地いい。春海を取り巻く周囲の人々の描写もみな個性的で楽しかった。読み終わって前向きな気持になれる作品だった。
  •  有川浩『植物図鑑』(角川書店)
    多少覚悟はしていたけど、そんなものでは足りないくらいストレートに激甘なラブストーリー。出会いのきっかけからしてすごいシチェーション。そこで拾わないだろ、フツーw でも、ストーリーの展開やセリフの上手さはさすが。「カーテンコール 午後三時」が一番好き。
  • 富樫倫太郎『信玄の軍配者』(中央公論新社)
    「軍配者」三部作の2作目。出だしなかなかページが進まなかったけど、四郎左が駿河を出奔したあたりからスルスル読めるようになった。修行期間の描写が殆どだった小太郎のときよりも実戦の描写が多くて面白かった。次は冬之助が主人公の『謙信の軍配者』。楽しみ♪

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