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2011/06/14

吉永南央/萩を揺らす雨 紅雲町珈琲屋こよみ

萩を揺らす雨―紅雲町珈琲屋こよみ (文春文庫)
萩を揺らす雨―紅雲町珈琲屋こよみ (文春文庫)

数えで76歳になる草(そう)が主人公。
若い頃離婚しその後一人息子も幼い頃に亡くしたため家族はなく、生まれ故郷で趣味のコーヒー豆と和食器を売る店 小蔵屋を切り盛りしている。
来店した客にサービスとして無料のコーヒーを振舞うため人の出入の多い店内で、ふと耳にした噂話が気にかかり夜中にその現場を訪ねてみると…。

本の裏表紙のあらすじや帯コピーでは「一人暮らしのおばあちゃんが街の中の小さな事件を解決するコージーミステリー」といったことが書いてあるし、表紙のイラストもそんな雰囲気の絵柄なのでてっきり「笑えて泣けるハートウォーミングな軽めのミステリー」かと思って読み出したら、かなり想像と違う内容、展開なのでビックリ&ガッカリしてしまった。

内容自体は一人で生きる草を通して家族の繋がりや老人介護、生きがいなどの社会問題も交えて語られるしっかりした作りで、文章も読みやすいしきちんとまとまっていると思う。
ただ、扱っている内容のせいか全体的にシリアスで私が読みたかった(というか「読めると思っていた」)内容とは方向性がずれていたので何となく納得いかないまま読み終わってしまったという感じ。

例えて言えばチーズケーキだと思って注文したら、おはぎが出てきた、みたいなイメージ。
おはぎが美味しくなかったわけじゃないけど、既に頭はチーズケーキ脳wになっていたので「こんなはずじゃなかった!」としか思えなかったという…。
最初からおはぎだと思って食べてれば満足出来たかもしれないのになーと思うと、敢えてこういう形で売ろうとした出版社の戦略に対して不信感を覚える。
それにそういうのって読者だけでなく作家さんに対しても失礼なんじゃないのかなあ。

紅雲町ものがたり

ちなみに文庫化される前は左の画像のような感じの落ち着いたイメージの装丁だった模様。
こっちのほうが内容に合ってて素敵だと思うけどな。

表題作他「紅雲町のお草」「クワバラ、クワバラ」「0と1の間」「悪い男」の5編を収録。
この中では「クワバラ、クワバラ」が一番面白かった。

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