海堂尊/ブレイズメス1990
1年半の外部研修から東城大附属病院に戻された世良は、佐伯病院長直々にフランスで開催される学会で発表する垣谷講師のお供を言い付かる。
そのとき世良は垣谷のアシスタント役だけではなく、ある重要な任務を佐伯から受け取っていた…。
モナコで悠々自適な生活を送りながら独自のルールに基づき医療活動を行っていた天才医師・天城を召喚し、東城大附属病院に心臓外科センターを開設させる話。
最初世良がモナコから天城を連れてくるまではなかなか物語に入れなかった。
原因は今回初めて出てきた新人研修医の駒井の存在。
卒業旅行で訪れたフランスで学会に参加する垣谷と世良に会い、行動を共にするという設定なんだけど、この駒井の使う九州弁がすごく邪魔だった。
他の登場人物がほとんど標準語なのに、駒井一人が
「自己紹介もせず、失礼ばつかまつりました。あんまり奇遇で、つい馴れ馴れしく話しかけてしまったとです。無礼ば、お許しつかあさい。~」
…てな感じでずっと喋るので違和感だらけで物語に入っていけない。
あまりに違和感があるので、実は何か重要な役割を担っている人物で最初に見せたあけっぴろげで人懐こい性格は実は表面だけなんじゃないの?と穿った見方をしてしまうくらいだった。
彼の存在自体はともかく、あの喋り方は不要だったんじゃないかと思うけどな。
そんな駒井の登場シーンが日本に来てからはグンと減るのでここからは一気読み。
スピード感があって面白かった。
東城大学に招聘されるだけあって天城もまた個性的かつ好戦的。
それに押されて今回はあの高階が防戦一方なのが新鮮だった。
『ブラックペアン1988』のときはタイトルにあるブラックペアンが内容にもきちんとリンクしていたけど、この作品ではブレイズメスが特に内容に関わっているようには思えなかったのが残念。
続きを暗示させる終わり方をしているので、次の天城の活躍を期待したい。
ところで世良と花房はいつの間にそういうことに?
ちなみに例の火災事故はこの翌年らしい。
そこで花房と速水は出会うわけでしょ。
その時にはまだ世良はハートセンターにいるんじゃないかと思うので、いつどうやって心が動いていったのか気になるところだ。
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