« 柳広司/吾輩はシャーロック・ホームズである | トップページ | 宮木あや子/ガラシャ »

2011/07/26

木内昇/茗荷谷の猫

茗荷谷の猫 
茗荷谷の猫

幕末の江戸から昭和の東京まで。   
それぞれの時代に生きる市井の人々の生活を切り取った短篇集。
それぞれの話が前に出てきたどれかの物語とほんのちょっとずつ緩やかに繋がっている構成が上手い。
どの話も普通の人々のとらえどころのない日々が書いてあるだけなので大きな驚きや感動はあまりない。
あまりにも淡々としすぎていて私なんかではまだそのよさを上手く受け止めることができない感じ。

そんななかでちょっと異色なのが「隠れる」という短編は面白かった。
誰にも縛られず、誰にも干渉せずにただ自分の好きなように、流れるように生きたいと願い、一時はそんな生活を手に入れたかのように見えながら、その実 どんどん人に干渉され生活を侵食されいく男・耕吉。
逃れようとすればするほど深みにはまり搦め捕られていく耕吉の姿が滑稽でもあり、恐ろしくもあった。

表題作のほか「染井の桜」「黒焼道話」「仲之町の大入道」「隠れる」「庄助さん」「ぽけっとの、深く」「てのひら」「スペインタイルの家」を収録。

|

« 柳広司/吾輩はシャーロック・ホームズである | トップページ | 宮木あや子/ガラシャ »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

読了本」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29699/52340623

この記事へのトラックバック一覧です: 木内昇/茗荷谷の猫:

« 柳広司/吾輩はシャーロック・ホームズである | トップページ | 宮木あや子/ガラシャ »