山本一力/八つ花ごよみ
江戸で暮らす人々の暮らしを綴った短編集。
いい話ばかりではあるのだけれど、なんとなく全体的にぼんやりとしていて今ひとつ。
もうちょっと意外性のある展開が欲しかったな。
そんな中では、痴呆で何も出来なくなった妻を献身的に支える夫の姿を描いた「路ばたのききょう」がしみじみとよかった。
一時的に記憶が戻った妻の姿に喜び連れ立って久しぶりに外出する二人。
いつまでもこのままで…という願いも虚しく少し目を離した間にまた手の届かない世界に行ってしまった妻を見つけた夫の哀しみに胸が詰まった。
<収録作品>
「路ばたのききょう」「海辺橋の女郎花」「京橋の小梅」「西應寺の桜」「佃町の菖蒲」「砂村の尾花」「御船橋の紅花」「仲町のひいらぎ」
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 田牧大和 / 泣き菩薩(2015.07.24)
- 山本兼一 / 黄金の太刀 刀剣商ちょうじ屋光三郎(2015.07.23)
- 田牧大和 / 春疾風 続・三悪人(2015.07.22)
- 田牧大和 / とんずら屋弥生請負帖(2015.07.21)
- 里見蘭 / 暗殺者ソラ: 大神兄弟探偵社(2015.07.19)
「読了本」カテゴリの記事
- 田牧大和 / 泣き菩薩(2015.07.24)
- 山本兼一 / 黄金の太刀 刀剣商ちょうじ屋光三郎(2015.07.23)
- 田牧大和 / 春疾風 続・三悪人(2015.07.22)
- 田牧大和 / とんずら屋弥生請負帖(2015.07.21)
- 里見蘭 / 暗殺者ソラ: 大神兄弟探偵社(2015.07.19)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント