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2011/08/01

愛川晶/三題噺 示現流幽霊~神田紅梅亭寄席物帳~

三題噺 示現流幽霊 神田紅梅亭寄席物帳 (ミステリー・リーグ) 
三題噺 示現流幽霊 神田紅梅亭寄席物帳 (ミステリー・リーグ)

神田紅梅亭シリーズ4作目。

相変わらず話の展開や謎と落語の絡め方がスムーズで安心して読める。
特に表題作がよかった。
中で語られる落語は著者のオリジナルでこの5月に実際に高座にかけられたとのこと。
聞いてみたかったなあ。

ただ、最後の「鍋屋敷の怪」の仕掛けはあまりいい印象が持てなかった。
読み終わって全体を見ればいい話だと思えるし、信頼関係があるからこそ出来ることなんだろうけど、ああいう趣向は好きじゃない。
その後の「特別編(過去)」はとてもよかった。
特にラストは泣ける。

それと、話の進行役である亮子のリアクションがどうもいつも大げさで読んでいるとちょっと引いてしまう…。
まあ、そういう役目なんだろうけどね。

<収録作品>
多賀谷 / 三題噺 示現流幽霊 / 鍋屋敷の怪 / 特別編(過去)

あとがきによると、当初この作品で完結のつもりでいたけど、3.11の震災を受けて「ここで終わってはいけない」と思い直し、今後もシリーズを続けることにしたとのこと。
次がいつになるかはまだ判らないけど、楽しみに待ちたい。

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