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2011/08/04

奥山景布子/恋衣-とはずがたり

恋衣―とはずがたり 
恋衣―とはずがたり

「とはずがたり」の主人公・二条が手放したとされる娘・露子が母の残した日記を読むとした設定が巧い。
「とはずがたり」そのものはあまり共感できる内容ではなかったけど、二条とは全く違う人生を送る露子の目を通すことで理解しやすい内容になっていた。

「とはずがたり」って全く知らなかったけど、かなり過激な内容なのね。
以下、Amazonの内容紹介から引用。 

鎌倉時代の宮廷内の愛欲を描いた異彩な古典後深草院の異常な寵愛をうけた作者は14歳にして男女の道を体験。以来複数の男性との愛欲遍歴を中心に、宮廷内男女の異様な関係をなまなましく綴る個性的な手記

この紹介文の書き方がなんか、いやらしい^^;
この当時の女性の結婚適齢期や寿命を考えると14歳の初体験ってそう早くもないんじゃないかな。
それにこういう関係が特殊だったのかどうかも私には判らない。
でも、それを(幾分か脚色は加えているにしても)自分の体験として、しかもかなり赤裸々な文章で手記に残すというのは非常に珍しいことだったのだろうと思う。

確たる後ろ盾もないままその美貌ゆえに数多の男たちに望まれ流されてゆく二条の愚かさ、苦しみ、哀しみが胸に迫る。
そしてその愚かで哀しい女を母に持った露子が様々な葛藤の果てに母の生き方を受け入れ、自身も過去に憎んだ夫の愛人の娘を養女に迎える構成が見事だった。

文章が自然で柔らかく、とても読みやすかった。
元の作品をまったく知らないので訳文としてどうなのかはわからないけれど、「とはずがたり」という物語の流れやテーマはきれいにまとまっていたと思う。
そのうち、直訳の本も読んでみよう。

でも、いくら自分が年をとっても母親のこんな日記は読みたくないな…(ーー;)

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