宮木あや子/太陽の庭
東京都内に広大な敷地の屋敷を有しながら地図には載らない永代院。
そこには代々由継の名を襲名する家長と彼の傍に侍る数多の美女たちやその美しい子どもたちが戸籍も持たずに暮らしていた。
日本の政治・経済を動かす選ばれた人物だけが面会を許され、こぞって繋がりを持とうとする一族の真の姿とは…?
最初の3話は永代院の子どもたちを主人公に屋敷での日常の暮らしぶりや人間関係を描いた夢か現か判らないファンタジー色の濃い内容。
一転その後の2話はゴシップ誌の若手女性記者が偶然見つけた永代院の秘密を記事にしようとして…といういきなり現実的な展開。
内容にあまりに落差があるのでビックリした。
私は前半の雰囲気の内容が好きだな。
後半は前半とのギャップ自体は面白いけど、書いてある内容が今ひとつありきたりで展開が読めちゃう感じでちょっと興ざめだった。
過去から続いたある「制度」が崩れたり「秘密」が暴かれたりするという話にしてももう少し情緒がある書き方にして欲しかった。
ただ、それを破壊するのはそれを真から望んでいる者ではなく、その本質が何かは判らないけれどただ何となく声がする方向に流されてしまった群衆であったという結末は現実にも十分あり得る話だと思う。
『雨の塔』に出てきた例の隔離された女子大も重要な要素の一つとして登場。
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