三木笙子/世界記憶コンクール
先日読んだ『人魚は空へ還る』に続くシリーズ2作目。
とても良かった。
謎の内容もそれを解くまでの筋道も無理がなく安心して読める。
悲しい内容の話もあるけれど、他者に対する優しさ、温かさに満ちた結末に救われた。
登場人物の設定、書き分けも巧い。
前作と違って高広と礼以外の人物(若かりし頃の高広の義父・基博や前作で高広に助けられた恵)を主人公に据えてある作品が多かったけど、どれも展開が巧みで飽きさせない。
趣向が変わって楽しかった。
その分礼の登場シーンが少なかったのがちょっと残念だったけど…。
同じ道を歩く誰かがいると思えることはこんなにも心強いことなのか。同じ高みを目指すことをただひとつの資格として、どんな自分も受け入れてくれる場所が、ここにある。(「黄金の日々」p169)
<収録作品>
世界記憶コンクール / 氷のような女 / 黄金の日々 / 生き人形の涙
ところでこの作品、シリーズ名は「帝都探偵絵図」シリーズというらしい。
シリーズ名があったほうが便利なのは判るけど、なんとなく作品のイメージとは違うような気がするな…。
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