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2011年10月の11件の記事

2011/10/30

辻真先/世紀の殺人

世紀の殺人 (創元クライム・クラブ)
世紀の殺人 (創元クライム・クラブ)

明治から続く広告会社で社史編纂作業が開始される。
現在も会社の実権を握る98歳の会長・福は、上司とぶつかり退社寸前のコピーライター・出石にその仕事を一任する。
出石が会社の過去を調べていくとそこには驚愕の事実が隠されていた…。

冒頭の、社史によせた福の口上や社史を小説仕立てにするといった発想、その社史の文章と実際の小説の展開が交錯する設定などから受ける印象だともっと軽い感じの読み物なのかなと思ったら、読んでいくうちに本格的な殺人事件になってくるのが意外だった。
でも明治から平成にかけて100年以上に及ぶ長いスパンの物語で、登場人物が多いけど描き分けが上手く、まとまっていて読み易かった。

最後の福による真実の告白にはビックリ。
なるほど、そう来ますか…。
確かにそれらしい記述はあちこちに散らばっていた気はするけど、まさかそういうオチとは。

ラストはかなり多くの人間が死んでしまう展開だったけど、きっちり終わっているせいか読後感はそんなに悪くなかった。

物語の中で福の口から語られる明治以降の日本の広告史(多分これは事実)の紹介も興味深かった。

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2011/10/29

手編み:かぎ針編みのネックウォーマー

中途半端に残っていた糸を使ってネックウォーマーを編んでみました。

111029_handmade01

ネックウォーマーとしての編み図は特に使わず、かぎ針編みの模様と編み方を集めた「パターンブック300」から模様だけもらいました。
増減なしで模様だけまっすぐ編んだあと最初と最後を綴じてチューブ状にした超簡単作品です。

幅(高さ)は約22cm、長さ(周囲)は約55cmにしました。
最初60cmまで編んで綴じてみたらちょっと緩すぎたので、何度か段をほどいたり編みなおしたりした結果55cmに落ち着きました。

111029_handmade02

←こんな感じでかなり隙間が多い模様にしてしまったので、風が吹くと寒そうな予感もしますが…^^;
高さが割とあるので折り返して付ければ少しはマシかな。

リッチモアの「パーセント」(並合太)を2個弱使用。
針は6号で編みました。

サイズだけ自分に合わせて調整すればどんな糸でもどんな編み方でも大丈夫なので、半端に残っている糸があったら編んでみてはどうでしょうか。

かぎ針編みパターンブック300
かぎ針編みパターンブック300
イチバン親切なかぎ
針編みの教科書―編み目記号と編み方63種類掲載

イチバン親切なかぎ針編みの教科書―編み目記号と編み方63種類掲載

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2011/10/25

松尾由美/モーリスのいた夏

モーリスのいた夏 (PHP文芸文庫)
モーリスのいた夏 (PHP文芸文庫)

高校2年生の信乃は夏休みに父親の紹介で取引先の少女・芽理沙の家庭教師のアルバイトを始める。
避暑地の別荘で夏を過ごす少女を訪ね、芽理沙による採用試験に合格した信乃は彼女から驚くべき秘密を告げられる。
それは芽理沙が裏庭の物置に密かに匿う「モーリス」と名付けられた"人くい鬼"だった。

ファンタジー風味のミステリーなんだけど、残念ながらどちらも中途半端になってしまった印象。
タイトルと表紙イラスト(河村怜さん)は素敵なのに、ここから受ける印象とはかなり違った内容だったのでちょっとガッカリ。

モーリス自体が大きな謎なのにその存在意義や彼に出会い影響を受けた人々(芽理沙の祖父、母、そして芽理沙自身)との関わりについての言及がなく、ただそこにいてその後に起こる事件を複雑化させるだけの存在になってしまっている。
「モーリス」という謎の存在があるからには、「モーリスってなんなの?」という疑問がまずあると思うのでそこを明らかにする展開が欲しかった。
しかも、事件そのものもそんなに面白くはない。
登場人物も妙にいっぱい出てくるし、とにかく全てが詰め込みすぎの印象。
わざわざ殺人事件なんて出さずに、もっとシンプルで静かな話のほうがよかったんじゃないのかなあ。

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2011/10/23

手編み:円形の袖付きボレロ

秋冬のかぎ針あみ vol.3 (Let’s Knit series)
秋冬のかぎ針あみ vol.3 (Let’s Knit series)

日本ヴォーグ社発行の『秋冬のかぎ針あみ vol.3』を参考にボレロを編みました。

身頃が1枚の円形モチーフになっている、以前編んだこれと同じタイプの作品です。

111023_handmade02広げるとこんな感じです。
本の中の写真だと全体的に(特に袖)細身でストンとしているイメージですが、私のは選んだ糸が太かったのか、ずっしり、ゴツゴツした感じになってしまいました(泣)
でも、その分暖かそうではありますが。
特に編地が重なる首から肩にかけてはかなり保温力がありそうですw

111023_handmade01

編地アップ。
糸はハマナカ フェアレディー50(40g)を 7玉半使用。
(本ではオーガニックウール フィールド(40g)を270g)
編み針は6号。
糸の撚りが若干甘めだったので編むときに糸が割れてしまい少々編みにくかったです。
(糸ではなく技術的な問題も多々あると思いますが^^;)

編み方(模様)は以前編んたものよりもシンプルだったのでそんなに迷わずに編めました。

次は去年編みかけにしてしまったベストをほどいてネックウォーマーを編む予定です。

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2011/10/19

小路幸也/ブロードアレイ・ミュージアム

ブロードアレイ・ミュージアム (文春文庫)
ブロードアレイ・ミュージアム (文春文庫)

ブロードウェイの片隅のビルにある小さなミュージアム。
そこで働く訳ありのキュレーター達と彼らに守られる少女・フェイ。
フェイには触ったものの持つ「悲劇の真実」が見えてしまうという能力があった。
ミュージアムのキュレーターたちはその悲劇を未然に防ぐために特技(?)を生かして活躍する。
そんな生活の中で隠されていたフェイの真実の姿が少しずつ明らかになり、やがて運命の日を迎える…。

面白かった♪
雰囲気も設定も内容もすごく好き。
フェイと彼女を守るミュージアムのメンバーは本当の家族ではないけれど、それ以上に強い信頼と絆で結ばれている。
これも小路さんお得意の「家族もの」なのね。
でも、それでも、いやそれだからこそ、別れはやってくる。
手を伸ばせば届くところにある安定を手放しても、自分に課せられた使命のために遠くに去っていくことを決めたフェイの小さなでも毅然した姿に涙が出た。

ミュージアムを去った後の笑顔のフェイの物語も入っていて安心できる。
しかもここでフェイは「ブロードウェイに帰れることになったので待ってて!」という手紙を書いているので、また彼らの活躍を読める日が来るのかも。
その日を楽しみに待ちたい。

<収録作品>
サッチモのコルネット / ラリックのガラス細工 / ベーブ・ルースのボール / シャネルの0番 / リンドバーグの帽子

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2011/10/14

伊藤遊/鬼の橋

鬼の橋 (福音館創作童話シリーズ)
鬼の橋 (福音館創作童話シリーズ)

自分の過失で義母妹を死なせてしまった少年・篁は大きな喪失感と罪悪感の中で鬱々とした毎日を送っていた。
そんなある日、篁は死んだ父親の作った橋を守る天涯孤独の少女・阿子那と出会う。
ときならぬ大雨に流されてきた大木が橋の橋脚にからまりこのままでは橋が壊れてしまう、助けて欲しいと叫ぶ阿子那の前に現れたのは地獄から逃げて来た鬼・非天丸だった。

大切なものを失い自暴自棄になっていた篁が、阿子那と非天丸の信頼の強さ、前向きな明るさに触れて大人になっていく過程を描いた物語。

丁寧に描かれた子ども達、そして何より地獄から逃げてきて阿子那と出会い己の過去を反省し急速に人間らしくなっていく非天丸の心情が胸に迫る。

児童文学とのことだけれど、確かに主人公は子どもではあるけれど作品自体は「子ども向け」の曖昧さはない。
平安時代の習慣や言葉遣いなども注釈なしできちんと描かれ、「子どもには難しいのでは?」と思うくらい。
でも、こうしたきちんとした文章で心に響く物語を読むことが子供たちを育てて行くんだろうな。

期待していた内容ではなかったけれど、面白かった。

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2011/10/12

三木笙子/人形遣いの影盗み

人形遣いの影盗み (ミステリ・フロンティア)
人形遣いの影盗み (ミステリ・フロンティア)

シリーズ3作目。

今回も面白かった~♪
謎を解くだけでなく、その謎が何故そこに生まれたのかその奥まで提示して、更にその物語が本来あるべき場所まできちんと戻してから終わるのがいい。
不器用で生真面目な高広はそういう役割にピッタリ合っている。

「びいどろ池の月」は主役2人がほとんど顔を出さないので最初「あれっ?」と思ったけど、寂しさと同時に明るい未来を感じさせる希望が同居したラストが印象的。

そしてどんどんガキっぽくなっていく礼くんw
でも、そんな礼を逆手に取って「妙なる調べ奏でよ」みたいなじんわり来る小品を仕上げて来るのが素晴らしい。
高広の下宿先の大家・桃介もいいキャラクター。
彼を主役にした「恐怖の下宿屋」も、ユーモアがあって最後ホロリとさせられるいい作品だった。

表題作では久々に怪盗ロータスも登場。
今のところ発行されているのはここまでみたいだけど、早く次が読みたい!

<収録作品>
びいどろ池の月 / 恐怖の下宿屋 / 永遠の休暇 / 妙なる調べ奏でよ / 人形遣いの影盗み

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2011/10/11

近藤史恵/サヴァイヴ

サヴァイヴ
サヴァイヴ

『サクリファイス』の主人公である誓を始め、主要な登場人物をそれぞれ主役にしたスピンオフ短編集。

本編では片鱗しか見えなかった登場人物の想いが、冷静な筆致で丁寧に描かれていて読み応えがあった。
特に赤城視点で石尾を描いた3編は印象的。
これを読んでから『サクリファイス』を読むと、また違った読み方が出来そう。
もう一度読み直してみよう。

<収録作品>
老ビブネンの腹の中 / スピードの果て / プロトンの中の孤独 / レミング / ゴールよりももっと遠く / トラウーダ

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2011/10/09

手編み:茶色のかぎ針編みバッグ

111009-01フェリシモで買った手編みバッグキットの中の1つ。
夏の間は編む気が起きずに放ってあったのを引っ張り出して編み終えました。

大きさは縦約20cm、横約30cmの小さめの横長バッグです。
本体部分は透かしの多い模様編みなのでかなりサクサク行ったのですが、持ち手部分に入ったらずっとこま編みなので飽きたし指が痛くなりました(T_T)
でもその分かなり頑丈に出来たので、普段使いにも十分使えそうです。

ざくざく編んで大活躍!透かし柄が目を引くかぎ針編みバッグの会(6回限定コレクション)

このシリーズはデザインがいいし、編み方もそんなに難しくないし、底からぐるぐる編んでいくタイプなので剥いだりする面倒が殆どないし、本体と持ち手が一体型なので丈夫で実用性もあっていいんじゃないかと思います。
私は「編む」という行為自体が好きなので出来上がってもあまり自分で使ったりすることがないのですがw、このシリーズはけっこう出来上がり作品もちゃんと使ってます。
糸も編みやすいし発色もいいきれいな糸です。(綿とポリエステルの混紡)
1作品に糸が2個づつついて来ますが、1個が70~80gあるのでこのくらいのバッグならかなり緩めに編まない限りは十分だと思います。
ちなみに今回、私は1個で本体全部編めました。

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2011/10/07

沢村浩輔/インディアン・サマー騒動記

インディアン・サマー騒動記 (ミステリ・フロンティア)
インディアン・サマー騒動記 (ミステリ・フロンティア)

1話目の「夜の床屋」は大学の同級生男子2人が偶然出くわした不思議体験の謎を解くという展開だったのに、以後どんどん軌道がずれて行って最後はファンタジーで終わるという力技でビックリ。
しかもそれまでの話も最後の展開に繋がっているのでは?(あくまで推測)というラストは強引すぎて納得出来なかった。

謎解きとファンタジーは別の作品にしたほうがよかったと思う。
少なくとも他の収録作品まで関連づけたのは余分だったし、どうしてもやるならもっと周到な伏線をきちんと張っておくべき。

1話目の雰囲気はよかったし、この話の中の佐倉と高瀬はキャラクターとしても面白かっただけに残念。

あと、2話目の「空飛ぶ絨毯」も変な話。
結末も変でこの話だけ読み終わったあとは頭の中がクエスチョンマークだらけだったんだけど、これはまあ最後まで読んで「ああ、そういうことを言いたかったのね」というのが判ったのでまあいい。
ただ、それ以前にこの話、前提がおかしいと思うんだよねえ。
だって、一人暮らしの女の子の家に泥棒が入って、その子が寝ていたベッドの下にあった絨毯を盗んでいったという話なんだから。
いや、それ、誰がやったとか、どうやったとか言う前にめちゃくちゃ怖くないですか?(泣)
まるでよく聞く都市伝説みたい。
それをみんなで飲みながら話題にしてる感覚がよく判らない。
もしかしたら泥棒に入られた彼女はその真相をある程度予測していたのかもしれないけど、だったらそういうことがあったこと自体誰にも言わないんじゃないかなあ。
なんかこう、少しずつどこかがずれている感じがして落ち着かない作品だった。

<収録作品>
夜の床屋 / 空飛ぶ絨毯 / ドッペルゲンガーを捜しにいこう / 葡萄荘のミラージュⅠ / 葡萄荘のミラージュⅡ / 『眠り姫』を売る男 / エピローグ

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2011/10/05

鈴木麻純/六道の使者 閻魔王宮第三冥官 小野篁

六道の使者―閻魔王宮第三冥官・小野篁
六道の使者―閻魔王宮第三冥官・小野篁

篁は若いくせに変に落ち着いちゃってちょっと暗めな設定。
その分、悪友の真冬(藤原式家の御曹司)がチャラチャラしているからちょうどよかった(笑)

この2人をはじめ、登場人物の設定が丁寧で好感が持てる。
特に閻魔王を始めとした冥府の住人たちがユニーク。
私は牛頭鬼・馬頭鬼のコンビがよかったな(^^)
篁が第三冥官になった理由のくだりもなかなか興味深かった。

悪霊ともっと派手に対決する話かと思ったら、それほど派手な展開にはならなくて残念。
読み易かったけど、もうちょっとメリハリがあって盛り上がる展開が欲しかったな。

死んだ人間は四十九日の間に冥界で裁かれるけど、その間にその死者に対して生者がどれだけ供養するかが減刑嘆願の要素となるという話が面白かった。
だから怨霊となるほどに人々から恐れられる存在となった死者は、その供養も大きくなるから却って罪一等を減じられてあまり下の方にはいかないよ…ということらしい。
へええ。

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