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2011/11/27

長沢樹/消失グラデーション

消失グラデーション
消失グラデーション

男子バスケット部員の康はある日の夕方、女子バスケット部員で雑誌の読者モデルも務める有名人の緑が屋上から転落するのを目撃する。
しかし、その後何者かに襲われ気を失った康が目を覚ましたときには、血まみれで倒れていた緑の姿は忽然と消えていた。
康とクラスメイトの真由は、緑の行方と転落の謎を追い始める。

まさかこんな結末が待っていたとは!(驚)
そう言われてみればちゃんと伏線もきっちり仕込んであったもんね…。
先入観を上手く利用した作品。
文章もスピード感があるし、会話もスムーズで読みやすかった。

ただ、導入部から本題(事件)に入るまでが「もしかしてミステリーじゃなくて学園もの?」と思ってしまったくらい長かった。
お膳立てはきちんとしておくべきなんだろうけど、あまりにも長すぎてちょっと飽きた。

物語の結末に重要な役割を持つ「ヒカルくん」についての情報が少なすぎる。
あれだけ重要なポジションの登場人物ならヒカルくん側からの視点ももっとあってもよかったのでは。

それに考えてみればあの狭い交友関係の中でそんなふうな人がそんなに大勢いるっていうのもちょっと不自然だよね…。

ただ、読んでいる間はそういったことを考えさせず一気に最後まで持っていく勢いはあったと思う。
あんな事件があったのに、しかも(謎は解けたけど)解決はしていないのに、妙に明るく終わるエンディングもけっこう好きだった。
これがデビュー作とか。今後の活躍が楽しみ(^ ^)

ちなみに私は男子バスケット部キャプテンの鳥越くんが好き~♪
複雑過ぎる登場人物が多い中、ひとりあくまでもシンプル。
その力強さ、明快さがよい。

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