鈴木麻純/ラスト・メメント 遺品蒐集家 高坂和泉の日常
残念ながら今ひとつ。
「遺品蒐集家」なんてタイトルが付いているからもっとプロフェッショナルな設定なのかと思ってたらそうでもないし、しかも「遺品を蒐集している」というのも話の中に出て来るだけで実際にはそれとは違った目的や行動ばかりで肩透かしされた気分。
(たとえば『書物狩人』みたいなのを想像していたもので…)
まず純粋に「遺品蒐集」の話がいくつかあって、その発展型みたいな形で今回のような展開になったほうが入って行きやすかったような気がする。
あと、「人付き合いの苦手な主人公が、明るく強引でお節介な異性に遭遇して影響を受けて行く」という設定もありがち(というか苦手)だし、意味ありげな少女と男のコンビも真意が分からないまま終わってしまったし。
(続きがあるってことかな?)
主人公の和泉の性格をもうちょっとしっかりさせて欲しい。
最初出てきたときはかなりクールなイメージだったのに話が進むにつれてどんどん他人に影響されてフラフラし始めるので読みにくかった。
高校生位の年齢の設定ならともかく25歳までその性格のまま生きてきたんだったら、そうそう簡単に他人の言動で動揺しないと思うんだけどなあ。
設定自体は面白そうなのにそれがうまく生かされていない感じで、何だか読み終わってもモヤモヤした気持ちばかりが残る作品だった。
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コメント
メメントとは違う良さがあるよ!
鈴木麻純さんの
新作「僕とカミサマの境界線」が出ましたね〜。
強くはないが勇敢な男子の冒険ファンタジーに脱帽です!
birthday-energy.co.jp/
ってサイトは鈴木麻純さんの本質にまで踏み込んでましたよ。今後に期待です!
投稿: mobo | 2013/10/07 23:47