西澤保彦/腕貫探偵 市民サーヴィス課出張所事件簿
折りたたみの椅子と机を携えてあらゆるところに忽然と姿を表し「市民サーヴィス課出張所」を名乗る正体不明の人物が、依頼者の悩みや疑問を聞いて謎を解く安楽椅子探偵もの。
最初の数篇はパターン化された書き出しと、性格付けもバックグラウンドも与えられていない(なのに強烈な印象を残す)探偵役の存在がマッチしていて面白かった。
ただその後は書き出しのパターンが崩れてしまい、それによって探偵役の人物の印象も薄くなってしまった感じ。
せめて書き出しだけは最初のパターンでずっと続けたほうがよかったな。
あと、登場人物の名前をわざと難読漢字(例えば「蘇甲(そかわ)」とか「門叶(とかない)」とか)にしていたけど、これは単純に作品を読みにくくしているだけなのでは。
他にメリットがあるとも思えないんだけどな。
<収録作品>
腕貫探偵登場 / 恋よりほかに死するものなし / 化かし合い、愛し合い / 喪失の扉 / すべてひとりで死ぬ女 / スクランブル・カンパニィ / 明日を覗く窓
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