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2012/02/20

近藤史恵/ホテル・ピーベリー

ホテル・ピーベリー
ホテル・ピーベリー

訳アリの青年が現実から逃れるようにハワイ島に行くところから始まる。
彼の精神状態とハワイ島がもつ緩やかな雰囲気を反映するかのように物語もゆるゆると進んでいくので、途中で「え?これってミステリじゃなかったっけ?」と思わずネットで粗筋を検索してしまったくらい。
いつもだったら物語が始まってすぐに事件が起こってそのあとはその解決に向かってどんどん進んでいくというパキパキした展開の話が好きで前振りが長い話はどちらかというと苦手なんだけれど、この作品に関してはそのゆったりした雰囲気がよかった。

最後もぎりぎりまで謎解きがされないので、「もしかして謎は謎のまま終わるのかな?」と思ってしまった。
でも、その謎を解くことが青年の新たな希望となるのならそういう終わり方でもいいかもねー、という気分にさせてくれる不思議な物語だった。

ちなみにハワイ島には3日だけ滞在したことがある。
温暖で、静かでゆったりしていて気持ちいい場所、という印象。
物語の結末は決してハッピーエンドではなかったけれど、ゆったりとすべてを飲み込んでゆくようなあの島の雰囲気がうまく表現されていたと思う。

ホテルの唯一の女性客であった桑島七生の設定と、物語後半で七生を迎えに来た恋人との対峙の場面がよかった。

そういえば、この本の表紙と似た写真が使われた作品をどこかで見た記憶があるんだけど何だったか思い出せないのが気持ち悪い…。
(多分CDジャケットじゃなかったかな~?と思うんだけど、それさえもあやふや)

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