舞台:Team申 番外公演「朗読劇 幻色江戸ごよみ」
昨日、渋谷パルコ劇場でTeam申 番外公演『朗読劇 幻色江戸ごよみ』を観劇。
宮部みゆきさんの短編時代小説を役者4人が朗読する舞台。
12編の作品の中から毎日3編ずつを上演しているらしい。
3月2日の演目は「器量のぞみ」「神無月」「紙吹雪」の3本。
(「神無月」と「紙吹雪」の2本は毎日固定で、もう1本だけが日によって替わるという趣向)
演じるのは主宰の佐々木蔵之介さん、市川亀治郎さん、佐藤隆太さんの3人+日替わりゲストが一人。
今日のゲストは仲村トオルさんだった。
(ちなみに他の日替わりゲストも全員男性。)
舞台が明るくなると舞台上に設えた高座のようなところに座っている4人。
他には何も舞台装置のようなものはなく、4人の服も白いシャツに黒いパンツというシンプルなもの。
(高座に座布団が敷いてあったので「テキストが時代小説だし和服で正座なのかな」と思ったら、洋服で腰掛けただけだった。ちょっとガッカリw)
それぞれ作品ごとに配役が決まっていてそれをテキストに沿って読んでいく。
ただ読むだけでなく、セリフの部分はきちんとその役として演技している。
先日原作を読んだときはスルッと読み流してしまった部分でも、人の口(しかもプロの役者さん)を通して聞くと全然違った景色が見えてくるようだった。
3つの作品の中では原作を読んだ時も一番好きだった「神無月」がやっぱり一番よかった。
病弱な娘のために年に一度だけ盗みを働く男(蔵之介さん)の独白部分が胸に迫ったし、ラストの岡っ引きと盗人がそれぞれの思いを抱えながら真っ暗な夜道を歩いて行くシーンも印象的だった。
思わず泣いてしまった(T_T)
役者さんの中ではゲストの仲村さんの声が一番よかった(好みだった)かも。低いけど響いて落ち着いていてとても聞きやすかった。
特に「神無月」での居酒屋のおやじの役がとてもよかった。
あと最後に立って挨拶したときのスタイルの良さ(特に足の細さと長さ)に感動した!
佐藤さんは風邪を引いているのか体調が今ひとつだったようで残念。
声はしっかり出ているし口舌がはっきりしていて聞きやすかったけど、ちょっと噛むことが多かったような。
あと読み方がストレートすぎるのでセリフよりも地の文を読んでいるときのほうがよかったな。
佐々木さんは途中で本人もちょっと涙ぐんでいる感じだったのが印象的。
「神無月」での抑えた語り口がとてもよかった。声もいい。
亀治郎さんはさすが歌舞伎の人だけあっていろんな声が出せるんだなーと思った。
(でも娘役ではちょっと笑ってしまった(^.^;)
特に地の文を読むときのちょっと落語家さんのような話し方が印象的だった。
ただ、だからこそ逆に普通の声での朗読も聞いてみたかったな。
作品のタイトルは原作を読んだばかりだしリーフレットに書いてあったので分かったけど、作品と作品の間の暗転でタイトルをスライドで映すとかして欲しかったな。
そのほうが観客も気持ちの切り替えが出来てよかったんじゃないかと思うけど。
ところで昨日のゲストは大杉漣さんだったとか。それも見たかった!
上演時間:1時間45分(休憩なし) / 3月7日まで。
■朗読劇『幻色江戸ごよみ』
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