高野秀行/世にも奇妙なマラソン大会
初めて読む作家さん。
ちょっと変わったタイトルと、パッと目につく表紙に惹かれて読んでみた。
てっきり小説だと思って読み始めたらノンフィクションだったのでちょっとビックリ。
でも面白かった!
著者紹介によると「誰も行かないところに行き、誰もやらないことをやり、誰も知らないものを探す。それをおもしろおかしく書く」がモットーの辺境作家さんとのこと。
この本の内容もそうだけど基本的にはすべて自分の体験を書いている人らしい。
表題作は酔った勢いでアフリカの西サハラで開催されるマラソン大会に参加することになった話。
普通、いくら酔っててもそんなことにはならないと思うけど、そうなってしまうのが「辺境作家」たる所以なんだろうね(多分w)。
ただ主催者に突然「参加出来ますか~?」ってメールを送るほうもどうかと思うけど、開催日まであと半月しかないのに「まだ間に合うよ~。19日の9時にマドリッドの空港に集合ね!」って返事してくる主催者も凄いと思うな…(笑)
このへんは「類は友を呼ぶ」ってヤツなのかもしれないなあ。
文章がのほほんとしているので思わず笑いながら読んでたけど、状況としたらかなり過酷だったはず。
だってホントに砂漠の中を走るんだから。
しかも、高野さんはそれまでに一番長く走ったのが15km。ハーフマラソンも未経験という全くの素人なのに!
(ってか、それで応募するほうが間違ってるよね、うん)
それなのにそういうことを一切感じさせず、どんなことでも楽しんでしまおうというおおらかさ(というか野次馬根性というか)が気持ちよかった。
他の話も面白かった。
特に過去に(やむを得ない事情で)密入国したのがバレて強制送還されたため再入国出来なくなっているインドに行くために、パスポートに記載される名前を合法的に変えようと奔走する「名前変更物語」がかなり笑えた。
都庁の旅券課のおじさんに出した手紙が読んでみたい!
(もらったおじさんはどんな反応だったのかも知りたいな~)
私は小心者で基本的な生活から逸脱したことをしない(出来ない)人なので、こういう破天荒な行動が出来る人にはとても憧れる。
自分では絶対に行けない土地で絶対に出来ない経験を楽しい文章で届けてくれる高野さん、ファンになりました。
かなり著作も多いみたいなので他のも読んでみようっと。
ただ、実際に傍にいたらちょっと迷惑かもね^^;
(なので高野さんの奥様はよく出来たひとだな~と思う)
<収録作品>
世にも奇妙なマラソン大会 / ブルガリアの岩と薔薇 / 名前変更物語 / 謎のペルシア商人-アジア・アフリカ奇譚集
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コメント
サハラマラソンにそんな気軽に参加してしまうなんて(^^;
あれはマラソンではなくサバイバルレースなのにw
投稿: ムムリク | 2012/04/21 11:05
■ムムリクさん
>あれはマラソンではなくサバイバルレース
ですよね~w
日本国内だって42kmも走るの大変だと思うのに(私は絶対無理)、砂漠の中を碌な練習も装備もなしで走ってしまおうと思い、しかも実際に走りきってしまうところが凄いです。
でも、こういう無茶な人がいてくれるからこそ、楽しい話が聞けるわけなので貴重な存在ですね。
身体に注意しつつこれからもいろんな無茶をやってほしいですw
投稿: tako | 2012/04/21 11:19