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2012/04/21

米澤穂信/追想五断章

経済的な理由で大学を休学中の芳光は叔父の営む古本屋を手伝う条件で居候させてもらっていた。
ある日、店に訪れた女性客・可南子から、父親が書いた五つの小説を探してくれないかと依頼される。
唐突な申し出に驚く芳光だったが、彼女が提示した高額な料金と話の内容に興味を持ち叔父には黙ったまま捜索を引き受け、同じ店のバイト仲間である笙子を誘って五つの物語を探し始めるが-。

全体的にとても静かでしっとりとした物語。
芳光が失われた物語を取り戻していく過程がとても自然で説得力があった。

もともとは可南子に依頼された仕事であったはずなのに、それを実行することが芳光自身の内省に繋がり彼自身も見失った何かを見つけ出す物語になっているのもよかった。

取り戻した物語の語る真実は幸福なものではなかったけれど、その結果をすべて受け入れて凛と立つ可南子の姿が美しい。
ラストの手紙も印象的だった。

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コメント

初めまして!
ミステリー処【love knot】というブログを運営してしています、
翠香と申します。

私もこの作品、読みました。
始めはただリドル・ストーリーを探す話なのかなと思っていましたが、
まさか物語の結末にあんな仕掛けが施されていたとは驚きでした。

index、拝見いたしました。わりと読書の趣味が合いそうです。
また訪問しますね。
もしよろしければ、私のブログにもぜひ遊びに来てください。

投稿: 翠香 | 2012/05/14 00:17

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