海堂尊/アリアドネの弾丸
東城大学附属病院に新設されることになった「エーアイセンター」を巡り、その主導権を握ろうとする警察が病院を潰そうと画策する。
敵の罠に嵌り窮地に陥った病院を救うため、厚生省のロジカルモンスター・白鳥が奔走する話。
最初の100ページくらいはなかなか進まなかったけど、白鳥が出て来たら急に展開が早くしかも面白くなってそこからは一気読み。
さすがロジカルモンスターw
内容も思った以上にミステリー要素が強く、かなり面白かった。
謎解きも説得力があり読み応えあり。
今回も白鳥のパワーと動き、頭脳そして喋りは素晴らしい。
それに対して田口センセは活躍の場が殆どなし。
全体を通してただ動揺して、白鳥の愚痴を言って、転寝してるだけにしか見えなかった。
しかもいくらそういう役回りとは言えいろんな場面で反応鈍過ぎ。
主人公なのに、それでいいのか?(^^;;
全体的に伏線の引き方が大胆、というかハッキリしてるなあ、という印象。
描写の仕方で「多分これは伏線なんだろうなあ」とある程度推測できるので、結果的に謎解きも何となく見えてくる部分はあった。
私のような鈍い読者にとってはそのくらいの方が楽しいけど、騙された感は今ひとつだったかな。
白鳥と島津、『イノセント・ゲリラ~』の彦根と桧山シオン、『ナイチンゲール~』の城崎と瑞人、『螺鈿迷宮』の桜宮小百合…などなど、いろんなところから続々と人が登場人物が集まってきて相変わらず賑やかな病院であった。
(小百合が人間離れしたキャラになってて怖かった…(;_:))
しかし、この話って白鳥はじめ、各分野のトップや最先端の専門家がいたから解決したわけだよね。
でも現実でこういった意思が働いた場合そんな状況になることはあり得ない。
そんな中で着せられた濡れ衣を晴らすことって一般人には無理な相談だと考えると暗澹たる気持ちになるな。
これは小説であって、現実ではそんなことはあり得ないと信じるしかない。
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