北山猛邦/密室から黒猫を取り出す方法 名探偵音野順の事件簿
シリーズ2作目。
これも前作同様登場人物は魅力的で文章も読み易かった。
ただ謎解きは作品によってばらつきがある感じ。
表題作は最初の猫の使い方は上手いな~と思ったけど、肝心の取り出し方は「そんなのアリ?」って思った。
良かったのは「停電から夜明けまで」。
このシリーズにしては珍しく全編緊張感があって、結末も見事だった。
でも前作にあった「白瀬が一つずつ買い足してくる変な備品」や「お昼ごはん持参」といった小さな約束事が無くなっているのが残念だったな。
あと、心なしか音野の存在が前作よりちょっと後ろに下がった印象。
もともと「人見知り、引っ込み思案」で白瀬の後ろに隠れてるようなキャラだけど、だからこそ目立っていた部分もあったのに今回はそういう部分が薄くなっていたような気がする。
前作よりも事件についての解説に重点が置かれていたようなのでそれも関係しているのかな。
個人的には事件(謎解き)よりもキャラ重視で行って欲しいシリーズなのでちょっと残念。
<収録作品>
密室から黒猫を取り出す方法 / 人喰いテレビ / 音楽は凶器じゃない / 停電から夜明けで / クローズド・キャンドル
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