高野秀行/メモリークエスト
過去に偶然出会って別れ、そのまま消息が判らなくなっているけれど今どうしているか気になる…読者からそんな依頼を募ってその人を高野さんが探して会いに行く、という企画物。
小説なんかだと人探しって簡単みたいな気がしちゃうけど実際はそんなことないんだよね。
実際にその人が今どこにいるかはもちろん名前も素性も判らないまま、ただ記憶(しかも他人の)だけを頼りに探しに行こうっていうんだから、石橋を叩いて割るくらい臆病な私にとっては「無謀」以外の言葉は浮かばない(笑)
タイ→セーシェル→南ア→旧ユーゴっていう旅程だけで、私なんか「勘弁して下さい」と思う。
単なる旅行で、全部ガイド付きでホテルも飛行機も予約してあっても、絶対行かないだろうし大金を積まれても行かない自信あり。
なのに高野さんはノープランな上に自分では会ったこともない人を探しに行くというんだからビックリを通り越して尊敬してしまう。
でも本当にすごいのはそんな状況で尋ね人にちゃんと会えちゃうこと。
(5人探して見つからなかったのは1人だけ)
人の繋がりってすごいなあ、と思う。
そして動いていけば何かが見つかる、というか動かなければ何も見つからないんだということを感じさせてくれた。
しかし、5件中2件の依頼をした名須川さんという女性もなかなかすごい。
全然知らない土地であんな経験するってちょっと信じられない。
私なんか空港内にちゃんと行き先表示がないだけで泣きたくなるくらいビビりなのであんな経験一生出来ないだろうなあ。
この間読んだ『世にも奇妙なマラソン大会』では高野さんはいつも飄々としていてマイペースな感じだったけど、この本ではけっこう泣き言が多かったのが印象的だった。
まあ、あの状況で泣き言も言わずに悠々としていられたらすごいけどね(^.^;
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