石持浅海/玩具店の英雄
警察官関係者が酒の席で話す過去の事件を、同席している一般人「座間味くん」が意外な切り口から分析しその事件の本質を明らかにして行く連作短編ミステリー。
面白かった。
前作「心臓と左手」では警視庁の大迫警視と座間味くんの2人だけの会話だったけど、今作では大迫警視正(昇進したらしい)の知人で科学警察研究所の研究員・津久井操が加わった3人体制。
前作を読んだ時も思ったけど、今回も頭がいい人ばかりの会話なので内容に停滞がなくて読みやすかった。
操が研究テーマとして取り組んでいる内容に関する過去の犯罪で気になるものを酒の肴としてちょっと披露する…という設定が上手い。
そしてそこから座間味くんが導き出す見事な(美しい)謎解き。
あまりにもスムーズで言うことないんだけど、あまりにも出来過ぎているために自分との差を見せつけられてちょっと悲しくなるくらいだった(^.^;
それを3人の人物のキャラクターと、適度に挟み込まれる美味しそうな料理の描写がうまく助けていたと思う。
しかし、話を聞いてるだけでこんなにつるつると真実を見抜いてしまう人がいたら怖いなー(^^;;
ラストもきれいにまとまっていて読後感もよかった。
<収録作品>
傘の花 / 最強の盾 / 襲撃の準備 / 玩具店の英雄 / 住宅街の迷惑 / 警察官の選択 / 警察の幸運
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