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2012/06/15

小路幸也/花咲小路四丁目の聖人

花咲小路四丁目の聖人

小さな町のマンションの1階で塾を営む亜弥は英国人の父・聖人と2人暮らし。
実はこの聖人、かつて英国で「最後の泥棒紳士"セイント"」と呼ばれる伝説の大泥棒だった。
2人が平和に暮らしていた町の商店街に大企業からの買収話が持ち上がる。

「可愛らしい話だな」というのが一番の印象。
「現代のお伽話」的な感じ。
買収話をひっくり返すあのオチにはちょっとびっくりしたけど、この話には合っていたかもw
登場人物も生き生きしてて気持ちよく読めた。

ただ、亜弥と聖人ってあまり父娘って感じがしなかったな。
もうちょっとだけ離れてる関係、例えば伯父と姪とか祖父と孫とかそんな雰囲気だった。

小路さんの作品を読むといつも驚くのは、状況が曖昧なまま先に進んでしまう場面が多いところ。
例えば今回の作品だと克己が巻き込まれた事件とか。
詳細は何も語られないままアウトラインだけで終わってしまう。
「そういうことがあったんだよ」って感じで。
メインの話もそういう部分がけっこうあった。
そういう書き方って普通はちょっとフラストレーションになるけど、小路さんの作品では何故かそのままスルーッって読めちゃうんだよね。
あそこを丁寧に書き込まないのも凄いし、書き込まないのに読者に突っ込ませないのも凄いなあといつも思う。

ところで、最後のほうに出てくる聖人の別荘があるリトルハンプトンって『東京バンドワゴン』のマードックさんの故郷だよね。
(最新刊(『レディ・マドンナ』)では花陽と研人も遊びに行ってる)
もしかしてどこかで2つの作品の登場人物が交錯する作品が読めるかな?

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